こんにちは、だるまんです。
大学院受験の筆記試験科目としてよく採用される小論文ですが、忙しい日々の中で、出願書類作成、事前相談の準備、英語試験の勉強やらで過ごしていると、後回ししておいた小論対策が出来てない!ということもあります。
そんな受験生の方に向けて、これだけ知っておけば、なんとか書ける小論対策の知識を凝縮して、この記事で突破したいと思います!
質問内容
院試まであと10日です。色々と忙しくて小論対策を後回ししているうちに、こんな時期になってしまいました。小論自体どのように書くのかもよくわかっていない状況です、助けてください。
だるまんの回答
院試の小論は難しくない
院試の試験科目の難易度で言うならば、英語>専門>小論>面接、なので、他の科目に比べて小論対策に時間をかけられなかったら焦るかもしれませんが…
極端な話をすれば、
院試の小論文は、後回ししてもどうにかなる試験
と、いう私見です。
なぜなら、院試の小論文試験とは、
- 受験生の意見を問われる問題
- 専門用語の定義を問われる問題
のどちらかであることが多いからです。
もう少し掘り下げて例を提示すると、小論文で提示される出題形式として、
- パターン①テーマ型:「〇〇について述べなさい」
- パターン②論述型:「1000文字以内で、〇〇について説明しなさい」
- パターン③課題文型:「文章を踏まえてあなたの意見を述べなさい」
- パターン④資料型:「グラフや図からわかることとあなたの考えを述べなさい」
- パターン⑤経験談型:「〇〇について、あなたの経験談を述べなさい」
- パターン⑥英文型:「和訳してあなたの意見を述べなさい」
- パターン⑦研究計画書型:「進学後にとりくたい研究内容を述べなさい」
というような7パターンのどれかであることが多いと分析しています。
大学院の過去問を見て頂ければ、その傾向は把握できると思いますが、どのパターンにしても、決して難しいことを問われている印象はない…です。
さらには、小論文は、一問一答の〇×といった回答はない、採点者はあくまで教授なので、どこでどのように採点されているのかは、いうなれば、わかならいものです。
だからこそ、かえって小論文は点数が取りやすい試験であるとも言えるのです。
具体的な対策方法
とはいえ、時間が許す限り、最低限の対策はしておきたいところです。
そこで、今回は、最低限これだけしっておけば書ける!という知識だけ抽出してお届けします。
小論文対策でやるべきことは、次の3つです。
それぞれについてお話しします。
1.キーワードチェックをする
院試の小論文で出題されるであろうキーワードチェックは、事前にチェックしておくことをおすすめします。
なぜなら、小論文試験というのは、志望先分野の教授が問題を作成している可能性が高いからです。
よって、下記の4点に該当するキーワードはおおまかにチェックしておきましょう。
- 過去問から出題されている用語
- 志望先研究室で主に取り組まれている研究の用語
- 志望先分野全体でトレンドになっている用語
- 社会情勢的に話題性のある用語
看護系で高齢者看護学を専攻する方を例にして書くならば、
- 過去問から出題されている用語:地域包括ケアシステム
- 研究室系キーワード:尊厳死、終末期、ターミナルケア
- 志望先系キーワード:地域包括ケアシステム、多職種連携
- 社会系キーワード:新型コロナ感染者への看護
という感じです。
それぞれのキーワードにおける定義と課題については事前に調べて、自分の言葉で書ける程度に把握しておきましょう。
2.小論文の書き方の型を覚える
小論文を書くには、書き方の型があります。
いくつか書き方がありますが、基本的に下記の型を知っておくことで、一旦解答を作成することは可能ですので、ぜひ理解して覚えてください。
これをふまえて、例文を作成すると、
問題:「新型コロナ感染症について、あなたが知ることを述べたうえで、認知症高齢者へどのような看護が必要なのかあなたの考えを述べなさい」
という問題があるとしたら…
【コロナについての定義を述べます】
新型コロナ感染症とは、SARS-CoV-2 ウイルスによって引き起こされた人体感染症(COVID-19)である。最初は、2019年12月に中国武漢市で発見され、世界各国では武漢肺炎と呼ばれていたが、全世界に感染拡大したことから、2020年3月にはWHOよりパンデミック宣言が出されている。ヒトからヒトへの伝播は咳や飛沫を介して起こるとされており、特に、密閉・密集・密接(三密)の空間での感染拡大が懸念されている。ゼロコロナではなく、人類と新型コロナウイルスが共存するウィズコロナとしていくためにも、ワクチン接種率を高めて、ウィルスに対抗できる免疫力を集団で身につけていくことが必要とされている。
【意見・問題提起する】
認知症高齢者の場合、症状の状態によっては、新型コロナ感染症への理解が難しい場合があることをふまえて、日常の感染予防へのサポートとその環境づくり、罹患時の対応、共に日常生活のQOLを落とさないための対策についての配慮が必要だと考える。
【具体的な意見や考えを提示します】
具体的には、まず、新型コロナ感染症は、高齢や基礎疾患が死亡リスクの上昇と関連があると言われていることから、感染防止のためのマスク着用、手洗い、うがい、手指消毒などを遵守する必要があり、ケアをするスタッフにはガウンやフェイスシールド等の着用が必須である。認知症高齢者の場合、認知機能の低下により、それらの行為に対して恐怖を覚えたり、混乱を引き起こしかねないため、思いを傾聴し共感したうえで、伝えたいことをしっかり伝える、わかりやすい言葉選びをする等のきめ細やかなコミュニケーションをとる必要がある。また、症状を訴えることができないことも多いため、バイタルサインを含む全身状況の観察は欠かせない。
つぎに、新型コロナ感染症への感染予防対策により、社会との交流や身体活動量が減少する認知症高齢者が増えていることから、感染予防の観点をふまえつつ、テレビ電話や電話などでの家族の交流、室内で一定距離を保ってできる軽い運動やストレッチなどを継続できる生活環境づくりへの心がけが必要と考える。
【まとめます】
認知症高齢者における新型コロナ感染症に関する問題はここで提示した以外にも、、身体ケアにおける介護者の感染リスク、感染隔離による環境変化への適応の困難さ、社会的接触機会の喪失による認知症症状の悪化など、多くの課題が顕著になってきているが、ウィズコロナを目指す世の中の流れに沿って、認知症高齢者のQOLを落とすことなく、その人らしく生きていくことを医療者の一人としてとどまらず探求して寄り添っていきたい。
参考文献:国立感染症研究所公式サイト、全国老人福祉協議会公式サイト
参考文献があるので、ここまで長く書きましたが、実際に試験でここまで書く必要があるかと言うと…書けたらGOODですが、書けなかったとしても、この2分の1だけ書ければ、十分合格ラインであることも多いです。
与えられた時間内は精一杯、自分の書けるだけのことを絞り出して書くこと、わからなくてもとにかく書くことです。
3.最低1~2回は練習する
小論文は、やはり、書いてみなければ、感覚がつかめず、実際の試験ではなかなかペンが進まないものです。
試験日当日に、書いては消して書いては消して…というには時間がもったいないので、事前に、最低限1回は時間をはからずに書いてみる、1回は時間をはかって書いてみてください。
その時のお題ですが、書くだけでなく解答を読んで、自分で自分の文をフィードバックをするほうが確実に書けるコツを掴めるので、
- 過去問は必ず解いてみる
- 市販の小論文対策本のお題を問いて解答を読んでみる
ことです。
市販の小論文対策本はAmazonやBookoffの中古本でも十分で、どの本でも2~3時間あれば、突破できる文量の本が多いので、試験前に一度でも読んでみることとをおすすめします。
その場合は、基本的な小論文メソッドに関する書籍もしくは、大学受験用でもいいので専門分野の小論対策の本を読んでみることです。
看護系大学院受験の小論対策本はこちら⇓
基本的な小論文メソッドはこちら⇓
まとめ
以上、「これだけ知っておけば、なんとか書ける小論対策の知識」でした。
大学院受験の小論文試験を難しく捉える方もいますが、意外と、やるべき最低限のことでカバーできる試験であると言えます。
必要な方は、今日お伝えした内容を活かして頂ければ幸いです。