大学院の課程やコースについて説明をします。
看護系大学院課程の概要
大学院課程は大きく分けて、二つあります。
修士課程と博士課程です。別名、博士前期課程、博士後期課程ともいいます。
修学年数は、修士課程は2年、博士課程は3年です。
課程名称 | 募集要件 | 修学期間 |
修士課程 (博士前期課程) | 大学卒業者・大学卒業見込み者・大学卒業同等の者 | 2年 |
博士課程 (博士後期課程) | 修士課程卒業者・修士課程卒業見込み者・ 修士課程卒業同等の者 | 3年 |
コースの概要・進路
概要
修士課程・博士課程ともに「研究者コース」が一般的ですが、最近は様々な資格取得コースが増えました。
大学院によって設けているコースが異なります。
看護系大学院一覧はこちら▼
進路
卒業後の進路はコースによってそれぞれ異なります。一概には言えない部分はありますが、多い進路としての例を挙げてみます。
コース紹介
【修士・博士課程】論文コース(研究者コース)
コースの名称
論文コースは、全ての大学院に設けられています。
一般的な名称は「修士課程」「博士課程」ですが、大学院によって下記のような名称を使用している場合もあります。
- 修士課程→修士論文コース/博士前期課程
- 博士課程→博士論文コース/博士前期課程
博士課程を設けていない学校法人もありますので、各学校のホームページや過去の募集要項から確認が必要です。
試験は別々
修士も博士もそれぞれ試験がありますので、同じ大学院で修士から博士課程へ内部進学をする場合でも、改めて博士課程試験を受験する必要があります。
授業形態・長期履修制度・昼夜開講制
フルタイム学生として入学する一般入学が一般的ですが、在職者の進学を支援する文部科学省の「社会人受け入れ推進方策」により、いくつか制度が出来ました。
社会人試験 | 試験項目が少ない、配点の配慮 |
昼夜開講制度 | 平日の夜間、土曜日・日曜日、夏季・冬季等の休業期間中などに授業を開講 |
長期履修制度 | 修学期間の延長(法人により限度あり) |
詳しくは受験希望先の大学院へお問い合わせください。
進路
修士課程で臨床に戻られる方もいますが、修士→博士課程卒業後、大学教員として就職をする方が多いです。
または、海外の大学院や研究室へ留学される方もいます。
【修士課程】専門看護師課程(CNS)
養成校
日本看護協会が認定している「専門看護師(CNS)」取得のための養成課程を置く看護系大学院が増えました。現在、その数は全国で107大学(2019年時点)あります。
専攻は13専攻(がん看護,精神看護,地域看護,老人看護,小児看護,母性看護,慢性疾患看護,急性・重症患者看護,感染症看護,家族支援,在宅看護,遺伝看護,災害看護)あり、大学院によって設けている専攻が異なるため、希望受験先にて確認が必要です。
CNSコースを設けている大学院一覧はこちら▼
課程内容
修学期間は2年間で、修士課程(博士前期課程)に設けられているため、卒業時には修士号の取得とCNS受験資格の取得が可能です。
【修士課程】助産師・保健師課程
助産師や保健師養成課程を設けている大学院があります。修学期間は2年で、卒業時に国家試験受験資格と修士号が取得することができます。
臨床経験は受験必須条件ではないため、大学卒業からストレート入学が可能です。
【修士課程】診療看護師(NP)
修学期間は2年で、課程を修了すると診療看護師として認定され、卒業後は病院にて診療看護師として勤務することが可能です。
【修士課程】認定看護管理者
臨床経験5年が必須で、師長などの管理者経験が入学要件に求められます。
修学期間は2年間で、修了時に修士号と認定看護管理者試験の受験資格を得ることが出来ます。詳しい取得要件試験につきましては看護協会HPの案内をご覧ください。
【5年制】共同災害看護学
全国初の国公私立の共同大学院5年一貫制博士課程で、国際的にも活躍できる災害看護のグローバルリーダーを養成しています。
高知県立大学、兵庫県立大学、東京医科歯科大学、千葉大学、日本赤十字大学が参画しています。ご興味のある方は参考までに千葉大学の共同災害看護学HPをご覧ください。
その他
看護系大学院以外にも進学できる大学院があります。
SPH・MPH(公衆衛生大学院)
最近日本でも増えてきました、公衆衛生大学院です。こちらは、通常の大学院ではなく「専門大学院」に属します。MBA(経営学修士)取得のために海外へ行かれる方を耳にしますが、まさに、MBAの医学バージョンでもあり、分野は「公衆衛生学」となります。
こちらは大学院によってですが、社会人としての経験年数が受験条件に問われますので、法人ごとの確認が必要です。資格の種類に制限はありませんので、医師、看護師、薬剤師、理学療法士等の医療系多職種ばかりでなく、医療システムや介護・予防学等に関心の高い政治家や経営者など、多業種の方の受験が可能です。
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その他
心理学・経済学・経営学・福祉学など、他の分野に進学するのも選択肢の一つです。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。次は、「大学院受験の年間スケジュール」です♪