大学院修了後の進路についてご紹介します。
大学院卒業後の進路は多様にあふれている
大学院というと大学教員への道を目指す方が多いですが、それ以外にも道はあります。また、保健師・助産師・CNS・NPなど資格取得のコースが増え、より専門性を高めるスペシャリストが増えています。
そればかりでなく、ITやAI時代の到来、ヘルスケア業界・医療福祉業界の発展などにより、社会での看護学のニーズは高まり、学問がボーダレスになっていると感じます。創造性を働かせて、学んだことを当たり前なこと以外に使い社会に還元できる人でありたいと、だるまんも日々思っています。
進路図
ざっくりと進路図を描いてみました。
ここで見て取れるように、修士課程にはたくさんのコースがありますが、博士課程には論文コース一つです。
つまり、博士課程に進むということは、大学教員やその道のプロになるということになります。
大学院卒業後の進路
修士課程修了の場合と博士課程修了の場合で説明します。
修士課程修了後の進路
博士課程に進学する
最も多いのは、博士課程進学だと思います。後ほどご紹介しますが、博士課程に進学するということは、大学教員になる方が多いです。
その進学先は、同じ大学院に内部進学をすることが多いですが、中には別の大学院の博士課程を受験する方もいれば、海外の博士課程を受験するという選択をされる方もいます。
ちなみに、別の大学院へ進学する背景として、指導教授が他大学院へ赴任したので共に移動するケースもあります。
もしくは、研究したい分野の変更などで師事したい先生がいることもある場合、移動は可能ですが、円満移動を心がけてください。アカデミアの世界は実に狭い社会でもあり、教授間の関係性のこともありますので、事前の相談や説明を踏まえて慎重な方向転換が必要です。
行政保健師になる
行政保健師として自治体に公務員として就職をするケースです。
自治体保健師には大学院卒業者をちらほら見かけます。自治体で大学院卒業者の場合は給与面で大卒者よりも若干高く基本給が設定されています。
大学教員の助手になる
大学教員のポジションは、講師<助手<助教<準教授<教授となり、講師・助手の場合は、大卒者であれば応募出来る場合が多いです。
大学教員はポスト(席)があまりないといわれてはいますが、看護業界の場合は異なります。
看護師不足が懸念され、看護学科の増設が急増した影響により、教員不足です。特に、地方国公立大学や新設の私大は、立地条件や知名度から人気が低いこともあり、キャリアが浅いうちはねらい目ともいえるかもしれません。
経験を積むという意味でも数年は地方での教員歴を経て、経験と業績を積んだところで都心や名門校の教員ポジションを狙うのもひとつの方法です。
こちらのサイトで大学教員募集を閲覧できます。
大学教員募集サイト 国立研究開発法人科学技術振興機構▼
勤務先病院に戻る
専門看護師(CNS)や助産師、NPなどの資格取得後は臨床で資格を活かすために臨床へ戻るケースが多いです。
また、論文コースに属していたとしても、臨床のほうが性に合っているという理由で、臨床に再就職する方もいます。
病院側では、大学院卒業者は将来の看護管理職へ有望視する傾向があるようです。
海外留学をする
大学院生活をしていると、英語の必要性を身にし染みて感じます。英語の実力によって大学院生活の苦楽が変わってくるといっても過言ではないと思います。
その体験から、1年間など期間限定で短期英語留学をしたり、海外の研究所に研究員として留学する方もいます。
企業に就職する
民間企業に就職することも可能です。
最近はヘルスケア業界や介護福祉業界、保育業界、人材派遣業界など、様々な企業が看護系サービスを提供しています。求人を探せば、様々な人材枠があります。
新たな道の草分け人的な部分はありますが、固定観念に縛られない新たな挑戦でもあり、企業にとっては逸材として重宝されることだと思います。
博士課程修了後の進路
大学教員として就職
博士課程まで卒業すれば、大学教員の講師へ応募することが出来ます。
就職先については、指導教授の紹介で決まることもあったり、自分で探して教授に推薦書を書いてもらうこともあります。
大学教員募集については下記のサイトから情報を閲覧することが出来ます。
大学教員募集サイト 国立研究開発法人科学技術振興機構▼
大学教員を目指す方は多くいらっしゃると思います。だるまんが知るところでのメリット・デメリットをご紹介します。それを踏まえて、ぜひ夢を叶えて頂けることを期待しています。
看護系大学教員職のメリット&デメリット▼
海外の大学院でPh.Dを取得
やはり学問は先進国から学ぶことは多いと思います。看護学の先進国と言えばアメリカ、オーストラリア、ドイツ、福祉学ならスウェーデン、ノルウェー、スイスなどの北欧があがります。
海外の大学院修士もしくは博士課程や資格取得コースに入学する方もいます。
費用もかかることではありますが、政府や海外政府が実施している奨学金制度を利用することも出来ます。
日本学生支援機構JASSOの「海外留学奨学金」や「外国政府等奨学金」をご覧ください。
日本学生支援機構JASSO「海外留学奨学金」▼
日本学生支援機構JASSO「外国政府等奨学金」▼
研究所機関に就職
国立研究開発法人や独立行政法人などの研究機関や民間の研究所へ就職する道もあります。
常時募集しているということではないため、狭き門です。専門知識や専門キャリア、英語力など求められる実力が高い印象があります。
それらの情報を網羅しているサイトがないため、各サイトで人材募集をしているかどうかは、その都度確認が必要です。
厚労省所管の独立行政法人一覧▼
まとめ
私が把握している限りでのおおまかな進路をご紹介しました。他にも様々な進路があると思いますし、新たな道を切り開いていける可能性はたくさんあると思います。
大学院という転換期が、皆さまの更なる活躍につながることを願っております。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。次は「入学前に進路を決めておこう」についてです♪