こんにちは、だるまんです。
大学院受験を志すなら、高見を目指してみたいと思うものです。
ところが、果たしてどこまで見上げていいものか、見上げすぎてスッテンころりんしないのは、どのあたりなのか、疑問です。
「東大にいくより、東大大学院のほうが入りやすいよ」なんて嘘のような話を聞いて、半信半疑な受験生のために、その真実を調べてみたので、シェアします。
相談内容
東京大学より東京大学大学院の方が入りやすいって聞いたんですけど、ホントですか?入りやすいって言ったって、やっぱり超難関には変わりないんですよね?
だるまんの回答
東大大学院が難しくない理由
東京大学といえば、日本の超最難関大学なので、もちろん東大大学院も同じだと思われがちですが、足を踏み入れたことのある人から、共通して、
「東大大学院は東大ほど難しくないよ」
という話を聞きます。
なぜ、このような話が出てくるのか、
東京大学の公式サイトで公表されている入試データ2022を基に、調べてみた結果を4つあげます。
結果1:受験者数が少ない
志願率を比較してみました。
大学受験では、募集人数に対して約3倍の志願者ですが、
大学院受験では募集人数に対して、修士課程は2倍、博士課程は0.9倍で、大学受験の志願者数よりも明らかに志願者数が少ないことがわかります。
募集人数 | 志望者数 | 志願率(志/募) | |
東京大学 | 3,060人 | 9,747人 | 3.1 |
東京大学大学院(修士課程・専門職) | 3,338人 | 6,958人 | 2.0 |
東京大学大学院(博士課程) | 1,719人 | 1,646人 | 0.9 |
結果2:競争率が高くない
競争率を比較してみると、大学受験で3.2%、大学院修士課程は2.1%、大学院博士課程は1.35%ということで、大学受験よりは明らかに大学院受験の方が競争率は低いことがわかりました。
さらに、大学院修士なら2人に1人、博士課程はほとんどは受かるというレベルです。
募集人数 | 志望者数 | 合格者数 | 競争率(志/合) | |
東京大学 | 3,060人 | 9,747人 | 3,084人 | 3.2 |
東京大学大学院(修士課程・専門職) | 3,338人 | 6,958人 | 3,229人 | 2.1 |
東京大学大学院(博士課程) | 1,719人 | 1,646人 | 1,212人 | 1.35 |
結果3:他大学院生の合格者数も多い
つぎに、肝心なことは、受験者数の内訳です。
内部進学生と外部進学生で内訳を整理したところ、内部生はほぼほぼ合格しており、外部生は修士課程が約3人に1人、博士課程は約2人に1人が合格するレベルのようです。
志望者数 | 合格者数 | 競争率(志/合) | |
東京大学大学院(修士課程・専門職)内部生 | 2,170人 | 1,620人 | 1.3 |
東京大学大学院(修士課程・専門職)外部生 | 4,788人 | 1,609人 | 2.9 |
東京大学大学院(博士課程)内部生 | 1,001人 | 867人 | 1.1 |
東京大学大学院(博士課程)外部生 | 645人 | 345人 | 1.8 |
結果4:2人に1人は外部生
修士課程・博士課程を合わせて、大学院生の約2人に1人は外部生になります。
内部生 | 外部生 | 合計 | |
東京大学大学院(修士課程・専門職) | 1,620人 | 1,609人 | 3,229人 |
東京大学大学院(博士課程) | 867人 | 345人 | 1,212人 |
合計 | 2,487人(56%) | 1,954人(43%) | 4,441人 |
結論
上記のデータから、
- 大学受験の志願者数よりも明らかに志願者数が少ない
- 大学受験よりは明らかに大学院の方が競争率は低い
- 外部生は修士課程が3人に1人、博士課程は2人に1人が受かる
- 大学院生の約2人に1人は外部生
ということがわかりました。
このデータだけを持って「東大より東大大学院は入りやすい」と言うには、情報が足りないのですが、大学受験よりも明らかにハードルは低く、外部生にも門戸は開かれていると言えると思います。
実際に、東大大学院の研究室を覗いて見てみると、東大卒者よりは、外部進学者が多い研究室はかなりあります。
それは、基礎学力を問う大学受験とは異なり、研究内容や進学目的、研究に臨む姿勢、これまでの社会人経験やキャリアが大学院入試の評価対象になっているので、筆記教科数の多い大学受験よりも入試のハードルが下がり、
せっかく大学院進学するなら、と高みを目指して外部からの受験生が集まっている結果だと思います。
ただし、大学受験のように志願者数が多くないのは、東大だけでなく、全国の大学院で起こっている現象です。
背景には、少子化社会で進学者が少ないこと、大学院進学の必要性を感じる人が少ないこと、大学院進学に社会が積極的ではないこと等の社会の現状をふまえての結果だと察します。
まとめ
以上、「東京大学よりも東京大学大学院のほうが入りやすいってホント?」でした。
大学院受験は学歴改造のチャンスとも言われています。
少しでも関心があるのであれば、自分の人生の転機になれるように、精一杯取り組んでみることです。
学歴は、お金では買えない、一生の不動の資産だからです。