【お悩み相談#89】専門看護師(CNS)と診療看護師(NP)、どっちが人気?どっちが将来性ある?【看護系大学院】

お悩み相談

こんにちは、だるまんです。

看護師のキャリアアップとして、大学院進学により専門資格を取得するという道があります。

大学院進学で取得できる資格は色々ありますが、中でも人気があるのが、専門看護師(CNS)と診療看護師(NP)です。

そこで、人気度や将来性をふまえて、それぞれの特徴について比較してみたいと思います。

ご関心のある方は、ご自分がどちらとの相性が良さそうなのか、参考にして頂ければと思います。

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質問内容

相談者
相談者

大学院進学で専門看護師(CNS)または診療看護師(NP)の資格を取れることを知りました。どっちのほうが人気とか、将来性があるとか、教えてほしいです。

だるまんの回答

人気があるのはどっち?

まずは、気になる人気度について調べてみました。

人気度という指標がないので、どれくらいの資格取得者数がいるのかで比較してみたいと思います。

資格開始資格取得者数年平均
診療看護師(NP)2010年度~670名(2022年3月時点)55名
専門看護師(CNS)1994年度~2901名(2022年7月時点)103名

こういう計算の仕方は手荒い気はするのですが、各資格の年間平均登録者数を単純計算してました。

  • 診療看護師は12年間で670名、1年間で55名が登録
  • 専門看護師は28年間で2901名、1年間で103名が登録

により、専門看護師の方が登録者数が2倍程度多いようです。

また、経年での登録者推移を見てみると、診療看護師は12年間で総計684名、専門看護師は12年間で866名登録しているので、専門看護師の方が多少多いようです。

また、大学院の養成課程数を比較すると、

  • 診療看護師養成課程のある大学院:全国で15校
  • 専門看護師養成課程のある大学院:全国で111校

で圧倒的に専門看護師の養成課程が多いと言えます。

よって、以上のことをまとめると、

数字だけで見れば、専門看護師の方が登録者数も登録者推移も高い傾向にありますが、専門看護師は資格開始28年と歴史があり、現場で活躍している方が多いこと、養成課程を持つ大学院が全国で111校と圧倒的に多いことから、資格が取得しやすいという背景があると考えられます。

とはいえ、診療看護師の認定校も登録者数も増えているので、専門看護師並みに、今後、人気のある資格になって来るのではないか、と思います。

将来性はどっち?

さて、次に気になる、将来性についてです。

時間と労力を投資して取得する資格ならば、将来性のあるほうにかけたいというのは、誰もが思うことだと言えます。

どうやって将来性を計ろうか考えてみたのですが、将来性があると言うことは、言い換えれば、

  1. 社会の需要が高い
  2. フリーでも活動できる
  3. 給与が高い

ということだと思い、この3つの視点で比較してみました。

①社会の需要性があるのはどっち?

社会の需要という視点で見るとしたら、どちらも高度実践看護師であるので、今後、社会の需要はより高くなっていくことは確かであると言えます。

ですが、どちらがより需要がありそうなのか、難しい観点ですが、それぞれの業務内容を省察してみました。

地域包括ケアシステムが進んでいる今、患者さんが在宅療養をするという選択肢はこれからより増えてくるといえ、入院時から在宅移行までトータル的にマネージメントをするということにおいては、専門看護師が活躍すると言えます。

一方で、医師の業務の一部を担うことができる診療看護師なら、医療資源が少ない過疎化地域や多忙な医師の負担軽減をはかることができます。

よって、専門看護師は患者さんと医療のパイプライン、診療看護師は患者さんと医師のパイプラインという意味でどちらもそれぞれに役割は大きく、どちらも需要が高いと言えるのではないでしょうか。

②フリーで活動できるのはどっち?

将来への選択肢を広げると言う意味では、フリーに近い形でも働くことが出来るという特権は持っていても損はない、という私見です。

そういう視点で見てみると、

専門看護師は、医療機関に属して、患者さんや患者さんを取り巻く多職種や社会資源をトータル的にマネージメントするのが業務なので、医療機関内ではフリーのような動きをしますが、そこから離れることは今のところ、難しいのが現状だと思います。

一方で、診療看護師の場合、アメリカを例にしてみれば、過疎地での診療看護師診療所などが設けられていることもあり、日本でも長期的目線でみれば、日本のNPの働き方は自由度が高い形でより広がっていくのではないか、という期待が寄せられています。

また、現在に至っても、糖尿病外来等の一部を診療看護師が担っている事例もありますので、制度上、完全フリーにはなれませんが、フリーに近い働き方ができるのは、診療看護師であると、思います。

③給与はどっちが高い?

給与に関しては、業務内容も異なれば、勤務先の医療機関によって待遇がかなり異なるので一概に言えることではないようですが、

  • 診療看護師手当:0~60,000円
  • 専門看護師手当:3,000~10,000円

と他サイトでは紹介されていました。

診療看護師の手当てが高いのは、資格取得者が少ないということや医師の業務の一部を担うという負荷に対する対価であると思われますが、医療機関によっても差はあるようです。

なので、この情報だけで云々はできないのですが、アメリカを例にすれば、アメリカのNPやCNSはだいたい、100,000ドル程度の年収を得ているそうなので、どちらにしても高給取りになる、将来性のある資格であると言えそうです。

どちらを選ぶべきか?

人気度では専門看護師、将来性は診療看護師、という答えを出してみましたが、どちらに進むべきかは、それぞれの業務内容にどちらが自分の適性と合うのか、で検討するべきだと思います。

医療機関内で患者さんやその家族とと長らく関わりながら調整をするのが、性に合う方は専門看護師

自ら診察をしたり、治療や指導をするなどの業務が性に合う方は診療看護師、だと分けられると思います。

ご自分ひとりだけではなかなか答えが出ないとしたら、実際に資格取得をして活躍している方や看護系ではなくても信頼を置ける方へ客観的な意見を求めて、相談をしてみることです。

最終的に決めるのは自分ではありますが、オーディエンスの意見は、聞いて損はないからです。

まとめ

以上、「人気度や将来性をふまえて、それぞれの特徴について比較」でした。

診療看護師も専門看護師も年々登録者が増え、臨床でも様々な研究論文が発表されつつあり、これからさらに社会的需要も認知度も高まっていくことと思います。

個人のキャリアアップはもちろんのこと、看護全体の質的向上の一翼にもつながります。

大学院進学による資格取得を通して、一人一人が仕事への使命感を感じ、仕事をより追究して誇りをもって取り組んでいけることと思います。

看護系大学院へ進学してみませんか。

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