こんにちは、だるまんです。
本日も受験勉強、お疲れさまです。どうですか、勉強の方は順調でしょうか?
今回は、看護系大学院受験の専門・小論対策として頻出のキーワード「トータルペイン」について調べてみました。
頻出キーワードなので、この記事で大事な要点だけでも持ち返って頂ければと思います。
出題傾向
キーワード | トータルペイン |
頻出度 | |
出題される分野 | 成人看護学、がん看護学、急性看護学、がん看護CNS |
下記のような問われ方をすることを度々見かけています。
- トータルペインとは何ですか?
- トータルペインにおける4つの側面について説明しなさい。
- ●●患者におけるトータルペインについて具体的に述べなさい。
知っておくべき用語の常識
トータルペインとは
トータルペインとは、日本語で直訳すると「全人的苦痛」と言います。
痛みというのは、身体的痛みだけではなく、その方の人間そのもの、全人格的に苦痛を経験するものであるよ、という捉え方をしているのが「トータルペイン」の考え方です。
この「トータルペイン」という言葉は、近代ホスピスの生みの親である医師D.C.ソンダース先生が、末期がん患者さんが経験する苦痛のことを「全人的苦痛(トータルペイン)」と呼んだのがはじまりだと言われています。
なので、鎮痛剤でコントロールできる痛みではなく、がんの末期患者や予後不良の患者などが体験する痛みを対象とされているようです。
トータルペインには4つの側面があると言われているので、院試で「トータルペインとは?」と問われた際には、これからお話しする「トータルペインの4つの側面」を含めて回答されると良いと思います。
では、4つの側面についてみていきましょう。
トータルペインの4つの側面とは?

「トータルペイン」では、痛みには、①身体的、②心理的、③社会的、④スピリチュアル(霊的)的側面の4つの側面があると言われており、これらの痛みが互いに関連しあい影響し合って、人は痛みとして捉えています。
例えば、がんやがんの治療時に伴う身体的痛みだけではなく、治療に対する不安だったり、治療のために仕事を辞めざるを得ず、経済状況が不安になったり、転移や再発のリスクなどに伴う死生観に対する悩みなど、多様な苦痛がお互いに影響し合い、苦痛をもたらしているという考え方です。
よって、院試で「トータルペインとは?」と問われたとして、上記を踏まえて、こんな風に回答を考えてみました。
トータルペインとは、全人的苦痛を意味しており、痛みには身体的、心理的、社会的、スピリチュアル的な4つの側面が相互に影響し合うことで、人は痛みと捉えているという考え方である。
簡潔に回答をしたのですが、もし、解答用紙がかなり余りそうだったら、看護師の役割などをプラスアルファで加えておくと、プラス得点ありだと思います。
トータルペインの看護師の役割
では、大学院試十八番の問い「●●における看護師の役割」こと、トータルペインにおける看護師の役割については、どのように答えたらよいでしょうか。
トータルペインと言うのは、「痛み」という身体的な痛みと感じている部分には、心理的・社会的・霊的側面の痛みが影響しあっているということなので、患者さんの痛みにはどのような要素があるのかを把握して、一つでも解消することができたら、連鎖的に他の痛みの要素も解消できる可能性があります。
なので、患者さんの「痛み」にはどのような要素があるのかを対話や観察を通して早期に察知し、必要なケアやサポートを図ることに、看護師の役割があると思います。
患者さんのケアをする際には、事前に情報収集をして、どのような痛みの要素があるのか考え、自分のみならず、必要ならば多職種に調整を取りながら、包括的な全人的ケアを提供することが求められる。
患者の痛みを身体的な痛みだけに捉われず、トータルペインの4つの側面(身体的、心理的、社会的、スピリチュアル的)を踏まえて、どのような要素における痛みが影響しているのかを検討し、一つでも解消できるようケアやサポート、アプローチを行う。また、患者・家族と医師、多職種の接点的立場にある看護師として、多職種にも調整を取り、包括的な全人的ケアの提供を心掛ける必要がある。
こんな感じでまとめてみました。
この解答はほんの一例ですので、もし、臨床経験から得られた経験からの悟りなどを述べるとより臨場感があって、よきだと思います。
まとめ
トータルペインという言葉は、成人看護系の受験者の方には必須の基礎的キーワードです。
トータルペインという言葉の定義を問われなかったとしても、「●●な患者さんへの必要なケアについて述べなさい」といった問われ方もあるので、その際には、こういった専門用語を適度に適用させながら回答を作っていけると、点数もグットだと思います。
ではまた。