こんにちは、だるまんです。
2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)。その中でも、健康に関する目標の達成に不可欠なのが「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」です。今回は、この壮大な目標の定義と、看護の役割について考えてみましょう。
頻出キーワードなので、この記事で大事な要点だけでも突破して頂ければと思います。
出題傾向
| キーワード | ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ |
| 頻出度 | |
| 出題される分野 | ・共通問題、全分野にて出題される傾向有 ・国際看護学、公衆衛生看護学 |
- ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとは何ですか?
- ユニバーサル・ヘルス・カバレッジについて説明しなさい。
知っておくべき用語の常識
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとは
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage(UHC))とは、
「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」
厚生労働省
のことです。
より、簡単に言うならば、

誰もが、どこでも、お金に困ることなく、予防、治療、リハビリなどの適切な医療を受けられる状態にしていこう!
ということを指しています。
持続可能な開発目標(SDGs)

この「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」という言葉が生まれたのは、国連連合が創立70周年を迎えた2015年のこと。
「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(計画)」が採択されました。
この計画では、17のゴールと169のターゲット(目標)からなる「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げられ、2030年までの実現を目標設置されたのです。
そして、この169の目標のうちの一つに「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成」が位置づけられました。
これが「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」という言葉が社会で浸透することになった大きなきっかけです。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの具体的な取組み
3つのアクセス
「ユニバーサルヘルスカバレッジ」という言葉が生まれたには、
世界で10億人が基礎的な保健医療サービスを受けられておらず、1億人が、そうしたサービスにアクセスしようとすると、生活が困窮しかねない状態にあるという背景があります。
そのため、誰もが、どこでも、お金に困ることなく、自分の必要な質の良い保健・医療サービスを受けられる状態 を実現しようというスローガンが掲げられるようになりました。
具体的に、UHCを達成するためには、物理的アクセス、経済的アクセス、社会慣習的アクセスの3つのアクセスの改善に加え、提供されるサービスの質が高まることが重要とされています。

- 経済的アクセス:医療費の負担
- 物理的アクセス:医療施設や人材が身近に存在するか
- 社会慣習的アクセス:必要性の認識、差別の有無等
サービスの質
そして、この3要素に加えて、「サービスの質」が備わっていないアクセスは真のUHCではないという考え方が主流になっています。
せっかく病院にたどり着き(物理)、お金を払えても(経済)、そこで誤診があったり不衛生だったりしたら、健康は守れません。
「アクセス(入り口)」だけでなく「アウトカム(結果としての健康)」を出すために、現在は「3つのアクセス + サービスの質」という4本柱で語られるのが一般的になっているのです。
WHOからもUHCについての説明動画が出ていますので、よろしければご覧ください⇓
日本はどのような活動をしてるの?

既に日本では、皆保険制度が導入されていることで「適切な価格で適切な医療を受けられている」ことや「一県一医大」を推進したことで、質の高い医療へのアクセスを実現できていることについては、既にユニバーサル・ヘルス・カバレッジに成功していると言えます。
これ以外にも、このUHCを実現するために、政府、企業、市民等がともに協力し合って歩みを進めており、さまざまなイベントや会合、フォーラム等が開催されています。
中でも有名なのは、2016年度にG7伊勢志摩サミットで初めてG7としてUHCに触れたこと、2019年度にG20初となる財務・保健大臣会合が開催され、ユニバーサルヘルスカバレッジへの財政強化に強く触れた「G20 岡山保健大臣宣言」を採択するという政府の活躍もありました。
他にも下記のようにさまざまな活動が行われています。
12月12日はUCHデー

12月12日はユニバーサルヘルスカバレッジデーとされています。この日はさまざまな自治体や団体でイベントが開催されています。
試験対策!

試験では、「UCHにおける課題は何か?」「UCHにおける看護の役割は何ですか?」と聞かれることもありますので、要チェックです!!
UCHにおける課題とは?
UHCは「素晴らしい理想」ですが、現実には乗り越えなければならない高い壁がいくつかあります。
- 「質の高い医療」をどう保つか
ただ病院に行ければいいわけではありません。適切な診断や治療が受けられる「医療の質」が保証されて初めてUHCと言えます。地域や国によってこの「質」に大きな格差があるのが現状です。 - 医療費による「貧困の連鎖」
世界では、高い医療費を支払ったために生活が立ち行かなくなる人が後を絶ちません。誰もが安心して受診できるよう、国全体で支える「公的な保険制度」をどう持続させていくかが、世界共通の難問です。 - 「治す医療」から「支えるケア」への転換
これまでは感染症対策がメインでしたが、今は生活習慣病や高齢化への対応が急務です。これらは長期のケアが必要になるため、単なる「治療」だけではカバーしきれないほど、ニーズが膨れ上がっています。
UCHにおける看護師の役割とは?
看護師は、UHCを「現場のサービス」として具体化する最も重要な職種です。
- 「健康への入り口」を守る
看護師は、予防からリハビリ、看取りまで、患者さんの人生のあらゆる場面に登場します。特に医師が少ない地域では、看護師が健康相談に乗ったり、適切な受診を促したりすることで、実質的な「医療への窓口」としての重責を担っています。 - 病気になる前の「健康教育」
高い治療費がかかる前に、病気を防ぐための知識を伝えることは、UHCの「経済的負担を減らす」という目的に直結します。住民の皆さんが自分で健康を守れるように支える、良きアドバイザーとしての役割です。 - バラバラな点を線でつなぐ「調整役」
UHCは医療だけで完結しません。看護師は、福祉や行政、地域コミュニティと連携し、「誰一人取り残さない」ためのネットワークを編み上げるコーディネーターとしての力が期待されています。
本日のまとめ
ポイントを箇条書きします。
- ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)とは、2015年の国際連合にて決議された「持続可能な開発目標(SDGs)」に含まれる達成目標の一つ
- 2030年までに実現することを目標とする
- UHC=全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態になること
- 日本ではUHCに成功していると言える
- 課題:「質の高い医療」をどう保つか、医療費による「貧困の連鎖」、「治す医療」から「支えるケア」への転換
- 看護師の役割:「健康への入り口」を守る 、病気になる前の「健康教育」、バラバラな点を線でつなぐ「調整役」
では、また♪
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