【院試対策キーワード集#007】設問:「アドボカシー」とは何ですか?説明しなさい。【看護系大学院受験】

院試対策キーワード集

こんにちは、だるまんです。

本日も受験勉強、お疲れさまです。

看護系大学院受験の専門・小論対策として頻出のキーワード「アドボカシー」について調べてみました。

頻出キーワードなので、この記事で大事な要点だけでも持ち返って頂ければと思います。

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出題傾向

キーワードアドボカシー
頻出度3.8
出題される分野共通問題、全分野にて出題される傾向有

分野関係なく、共通問題にて下記のような問われ方をすることを度々見かけています。

院試出題例
  • アドボカシーとは何ですか?
  • アドボカシーにおける看護師の役割を述べなさい。
  • アドボカシーの問題点は何ですか。

知っておくべき用語の常識

アドボカシーとは、

アドボカシー…

大学院受験でこんな用語(こんなといってはなんなんですが)が問われるとは思いもしないですが、これが、過去の試験ではパラパラ出てるんです。

ここで改めて調べましたので、シェアさせて頂きます。

アドボカシーとは、看護業界問わず、一般的に、英語でadvocacy「擁護・代弁」のことで、社会的に弱い立場にある人たちの権利を守る、または主張を代弁するという意味を指しています。

これに、看護業界的要素を加えて解釈するとしたら、

「擁護・代弁」の対象は、寝たきりの高齢者や認知症患者、障がい者など、自分の意思を上手に伝えることが難しい「患者さん」になりますので、「患者の権利擁護」のことを指します。

ポイント
  • アドボカシー:擁護・代弁
  • 医療分野のアドボカシー:患者の権利擁護

よって、院試で「アドボカシーとは?」と問われたとして、上記を踏まえて、こんな風に回答を考えてみました。

「アドボカシーとは?」解答例

アドボカシーとは、一般的には、権利擁護・代弁のことを指す。医療分野では、自己決定を表明することが難しい高齢者や認知症患者、障がい者など全患者の権利擁護や意思決定のことを指す。要は、患者の生命や安全の保護、社会的不利益を被らない、尊厳を守ることである。

アドボカシーの看護師の役割

次に抑えておきたのが、大学院試十八番の問い「●●における看護師の役割」についてです。

アドボカシーに関する看護師の役割については、看護協会のHPにも明示されていました。

看護職は患者のアドボケート(権利擁護者、代弁者)として、患者の権利を擁護し、患者の価値や信念に最も近い決定ができるよう援助し、患者の人間としての尊厳、プライバシー等を尊重しなければなりません

日本看護協会公式HP

ここでわかるように、看護師は、「患者の代弁者」、アドボケーターとしての役割を担っているということです。

「患者の代弁者になる」とは、いったい、どういうことなのでしょうか。

代弁の意味6つ

例えば、高齢者が受診をされた際に、医師からの説明においてよく理解が出来ていなさそうな部分について、後で再度質問する機会を作る…ということも、代弁と言えますし、

患者家族に患者の思いを代わりに伝える、ということも代弁の一つとも言えます。

時には、医師と患者の仲裁をしたり、医療チームでの連携を図る際には患者の意思を伝えるのも、代弁です。

このように、さまざまな相手、状況に置かれて、患者さんの立場・意志・意向を踏まえて「保護する」「支える」「伝える」「エンパワーメントする」「仲裁する」「調整する」という6つの要素が「患者の代弁」にはあるそうです。(研究論文:看護における アドボカシー の概念分析)

ちなみに、「患者の代弁者」だからと言って、患者さんの代わりに医師へ質問をしたり、患者さんに代わって物事を決めてしまうということは、真のアドボケーターではないです。

これを踏まえて、看護師の役割を整理してみると、

「アドボカシーの看護師の役割は?」解答例

患者と接することが多い看護師にとって、患者が自らの治療について理解をしたうえで自己決定ができるように、①適切な情報を提供する②アドバイスなど必要なサポートを支援することが看護師の役割である。患者の意思を把握するためにも、日頃から信頼関係を築けるよう努め、患者さんの意向をヒアリングするように心がけたり、治療に対して不安や躊躇い、どう考えているのかなどの意思表示を適宜把握する大切であると考える。

こんな感じでまとめてみました。

この解答はほんの一例ですので、もし、臨床経験から得られた経験からの悟りなどを述べるとより臨場感があって、よきだと思います。

アドボカシーの問題点

最後に押さえておきたいのが、「アドボカシーの問題点」です。

この問題点を簡単に言うと、看護師の思い込みや自己判断で患者の代弁をしてしまうこと、だそうです。

アドボカシーと言うのは、代弁ではあるのですが、看護師の個人的な感情や義務感により患者の代弁をするとしたら、それは本来のアドボケーターの役割ではない…、確かにそうです。

あくまで、患者さんが最終的には自らの意思で物事の決定をすることができるように、周りの調整をしたり、適切な情報提供をしたり、仲介する等の支援をひっくるめての「代弁者」が看護師の役割だったはずです。

患者さんの立場からすると、信頼をしている看護師からの意見に影響されて自分の意思ではない方向へ物事を決めてしまうというリスクもありますので、提供する情報や支援には客観性が伴っているのかどうか、押し付けになっていないか、注意する必要があります。

さて、長くなりましたが、ここらへんで、解答を作ってみたいと思います。

「アドボカシーの問題点とは?」解答例

患者が自己決定をするために適切な情報提供を得て、医療者も患者も患者家族も双方が納得のいく治療方針を決められることが目標であるが、看護師が個人的な感情や義務感により、客観性に欠ける情報提供や助言をしたことが、患者の本来の望みではない選択を誘導したとしたら、パターナリズムになる可能性がある。

こんな感じで書いてみましたが、如何でしょうか。

出題では、「問題点」のみが書かれていたとしても、解答用紙に余分なスペースが出来てしまったなら、プラスアルファで問題提起に対する解決方法として、看護師としてどのような支援をしたらよいのか、書き足すのも、点数加算にプラスに働いてくれると思います。

まとめ

アドボカシー…

類似する用語には、アカウンタビリティ(説明責任と義務)とかインフォームドコンセントとか…もちろん意味はそれぞれ異なるのですが、こう横文字が続くと多少頭の中が混雑しやすくなると思いますので、ノートなどに簡単に整理をして試験ノートを持っておくのがおすすめです。

ではまた。

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