こんにちは、だるまんです。
大学院進学が適性に合っている人と合っていない人がいます。
適性に合っていれば、人生のステージを変えるターニングポイントになれますが、適正に合っていないとしたら、その時間は苦痛そのものです。
大学院受験を検討・予定しているとしたら、人生の分岐点にあたる大事な人生選択になります。
受験に挑む前に、自分の適性に合っているかどうか、学習環境を含めて、よく吟味してみてください。
その適正を吟味するための材料、大学院進学をした方がいい人と辞めたほうがいい人との比較について解説します。
大学院進学をした方がいい人と辞めたほうがいい人の特徴
大学院への向き不向きで、大きく人生が変わる
大学院進学には、向き不向きがあります。
それを知らずして、漠然として捉えて進学されるとしたら、それは危ないつり橋を目隠しして渡っているのと同じぐらい、リスクのあることです。
要は、大学院進学が人生に与える影響は、かなり大きいということです。
具体的には、大学院進学が適性に合っていれば、大きく人生は好転するターニングポイントとなれます。
一方で、適性に合っていなければ、お金のムダ、時間のムダ、労力のムダ…です。
もちろん、少なからず人生経験に無駄なことにはならないですが、それならもっと自分の適性に合ったことに同じ投資をしたほうが、かえって、得られる結果はより捗捗しいと思います。
大学院進学とは、自分の将来への投資でもあります。
大学院という見栄、院生という肩書欲しさだけでの選択だとしたら、必ずといえるほど失敗します。
なぜなら、表向きには派手に見えて、実は、非常に地味な道で孤独な道だからです。
その投資が正しいのかどうか、正真正銘に、自分との対話が必要です。
大学院進学に適した人の条件
大学院進学をした方がいい人・辞めたほうがいい人の比較
私見ですが、大学院進学をした方がいい人・辞めたほうがいい人の比較をしてみたところで、ほぼ間違っていないと確信できる共通点です。
大学院進学をした方がいい人 | 大学院進学を辞めたほうがいい人 | |
卒業後の進路 | 看護教員になりたい | 次の道が明確ではない |
学費 | 学費の準備がある・工面できる | 学生ローンを検討している |
学歴 | 学歴コンプレックスがある | 大学院という見栄がほしい |
学習タイプ | 長時間学習が苦ではない | 長時間学習は苦手である |
嗜好 | 臨床より研究が向いている | 研究より臨床が向いている |
お金 | お金稼ぎはそこまで求めない | お金を稼ぎたい |
習性 | 大勢より一人でいたい派 | 一人より大勢でいたい派 |
性格 | 上からの指示に順応できるタイプ | 正しいことは突き通すタイプ |
卒業後の進路
- 大学院進学をした方がいい人:看護教員になりたい
- 大学院進学を辞めたほうがいい人:次の道が明確ではない
看護教員になりたいと思うのであれば、確実に大学院進学は必須、まずは、修士課程と博士課程卒業が目標です。
臨床経験があれば、少なからず看護教員にはなれますが、「助教」→「講師」→「准教授」→「教授」と昇進していくためには、それなりの学歴が必要不可欠です。
一方で、TDI(とりあえず大学院へ行こう!)の場合は、次の進路をどうするか早計して、決めておくことです。
大学院生活はかなり多忙で刹那、次の目標が定まっていなければ、人生の迷路に入りやすいのも大学院の特徴です。
学費
- 大学院進学をした方がいい人:準備がある、工面できる
- 大学院進学を辞めたほうがいい人:学生ローンを検討中
素質素養以前に、学びとは、お金と時間という環境が揃ってできることです。
看護大学院の場合、修士と博士課程の5年間で、学費は、国立の場合、約380万円、私立の場合、約800万円かかります。
それ以外に、基本生活費、学生生活にかかる費用諸々を掛け合わせると…基本的に「お金がかかる」ことです。
奨学金制度、いわゆる、学生ローンを思いっきり借りるというのも方法ではありますが、卒業後、学生ローン返済に苦しむ卒業生を多く見かけてきました。
博士課程までには長い道のりになるので、学費の準備ができている、もしくは家族から支援してもらえるなどの協力があったほうが、長い目で見て、精神的に安心して学業に勤しむことができます。
学歴
- 大学院進学をした方がいい人:学歴コンプレックスがある
- 大学院進学を辞めたほうがいい人:大学院という見栄がほしい
大学院卒業は、自分自身がブランドというか、自分自身の自信につながります。
近年、社会は開かれ、専門学校や短大卒業者でも、社会経験が認められ、受験することも可能となりました。
嬉しいことに、大学院受験は大学受験よりも敷居が低いので、手が届かなかったような難関国立・私立大学院への入学も可能です。
つまり、学歴大改造のチャンスです。
意志があるなら、ぜひ挑戦してほしいと思いますが、単なる見栄だけで受験すると、派手な肩書の一方で、実は意外と地味で質素な学生生活とのギャップに馴染めないことと思います。
その場合の進学なら、せめて修士課程までにして、社会に出ることがおすすめです。
学習スタイル
- 大学院進学をした方がいい人:長時間学習が苦ではない
- 大学院進学を辞めたほうがいい人:長時間学習が苦手である
大学院の学習は、とりあえず量をこなすことが第一となります。
文献の量を読みこなしていくことで、後々、必要な文献、そうではない文献の選別が出来るようになるからです。
そのため、時間との勝負でもあります。
この場合の「時間との勝負」とは、根負けせずにどれくらい文献を読み漁れるか、ということです。
朝から夜寝る前まで、文献を読んでまとめてみたり、文章にしてみたり、データ分析するといった長時間学習が自分に合っているかどうか、自分の大学受験時、国家試験受験時の経験をもとに振り返ってみてください、答えが出るはずです。
嗜好
- 大学院進学をした方がいい人:臨床より、研究が向いている
- 大学院進学を辞めたほうがいい人:研究より、臨床が向いている
臨床と研究…対比する言葉と言っても、過言ではないと思います。
臨床の場合は、自分がGIVEしたケアが直近で結果としてTAKEできます。
一方で、研究は臨床のように直近のTAKEは難しく、コツコツため込んだGIVEが、長い時間の貯蓄を経て大金を作るかのように、自分のポートフォリオとして足跡、実績を残すまでは時間がかかります。
二つを比較すれば、自分の適性がどちらに向いているのか、はっきり選別できます。
大学院修士課程に進学してみて、やはり…と、臨床に戻る人も一定数います。
看護研究は、職場でも少なからず行っていると思いますので、その感触をもとに判断されるといいと思います。
お金
- 大学院進学をした方がいい人:お金稼ぎはそこまで求めない
- 大学院進学を辞めたほうがいい人:お金を稼ぎたい
大学教員を目指される方なら尚更の話ですが、教員の道は確実に稼げないです。
というより、働きのわりに報酬が合っていないと感じます。
具体的には、助教からスタートした場合、助教の平均月収は、国立大学では月額37万2,100円、公立大学では月額36万3,300円、私立大学では月額32万3,900円です。(引用:https://ten-navi.com)
さらに、大学教員に休日はほぼないです。
学校にいても家にいても、平日でも休日でも、常に研究と向き合っています。
その勤務時間を考えれば、給与は決して高いとは言えないです。
それならば、臨床で稼いだ方が、よほど、時間的に経済的に余裕だと言えます。
また、大学院卒業後に臨床へ戻ったとしても、日本社会の現状では、大学院卒業者への昇給は厚くない、かえって、えっ、たったこれっぽっち?のお気持ち程度です。
どちらにしても、大学院進学して、その投資を社会で回収するのは、ほぼ無理だと思っておいた方がいいです。
できたとしても、実力があってのことですが、運がよければ、平均して教授になれる50代頃でしょうか。
その現実を知って、納得したうえで、挑むことです。
習性
- 大学院進学をした方がいい人:大勢より一人でいたい派
- 大学院進学を辞めたほうがいい人:一人より大勢でいたい派
大学院での研究生活は、ほぼ一人での活動で、朝から夜遅くまで長時間戦になります。
大勢でワイワイとにぎやかに過ごすよりも、一人で作業することを苦としない、かえって好きだという人は、向いています。
また、ほぼ、家と学校の行き来、過ごす時間の大半の相手はパソコン、論文、本のどれかで、誰とも話さない日も珍しくないです。
それが苦にならなければ、楽しい大学院生活だけでなく、近い将来、研究者生活に適合していると言えます。
ただし、時間の拘束がないので、その時間の管理を厳しくできない場合は、学業は進まないです。
時間と生活の自己管理力は、必須条件だと言えます。
性格
- 大学院進学をした方がいい人:上からの指示に順応できるタイプ
- 大学院進学を辞めたほうがいい人:正しいことは自分の考えを突き通すタイプ
大学院の研究室とは、おおよそ10~20名程度で成り立っている小さな組織です。
教授というボスを筆頭に、目に見えず、縦社会が形成されており、その組織から外れないでいられるかどうかは、その後の進路に大きく影響する因子です。
研究室によっては、保守的、ゴテゴテの固定概念を持っているケースも少なくないです。
上からの指示に順応できるタイプであれば、上手に組織に溶け込み、自分の人生の歩みに協力を得ることが出来ますが、一方で、正しいと思うことに、自分の考えを突き通すタイプなら、和に溶け合えず、心の葛藤は絶えないかもしれないです。
人生とは、選択の連続
以上、大学院進学をした方がいい人と辞めたほうがいい人との比較まとめでした。
未だに迷っているなら、布石を打つように、大学院進学を積極的に目指してと、常に言っています。
しかしながら、進学した全員が必ずしも、大学院進学で人生のいいターニングポイントになれているかというと、そうではないのが事実です。
では何が違うのか。
まずは、自分の適性を知って、つぎに、大学院という特殊な場をどれくらい理解しているかということです。
敵を知り己を知れば百戦殆からず…
人生とは、選択の連続です。
大学院進学という選択が、人生にとって良き選択肢であったと思えるためにも、大学院の本質と自分の適性が合っているかどうかをよく見極めてみることから…