こんにちは、だるまんです。
保健師の資格を活かせる職業の一つに「産業保健師」があります。
産業保健師といえば、企業に勤務することが一般的ですが、在宅ワークすることも可能な仕事でもあります。
無理なく自分のペースでできる仕事なので、子育てや介護の合間にできる在宅ワークまたは二束わらじを希望される方にはおすすめできます。
そこで、在宅ワークできる産業保健師の業務内容や報酬額、提携できる企業などについて具体的なお話をします。
在宅ワークできる産業保健師
在宅ワークできる産業保健師とは
在宅ワークできる産業保健師とは、特定健康診査の保健指導を行うお仕事のことです。
全国の自治体や企業では、例年健康診断を行っており、その健診結果をもとに特定保健指導対象の方には保健指導を行うことが義務付けられています。
この特定保健指導を外注として請け負っている企業がいくつかあります。
その企業に個人事業主の保健師として契約することで、保健指導の業務受注することができ、仕事を行うことで成果報酬をもらえる仕組みとなっています。
業務の契約について
この職種の特徴は、保健師との関係性は雇用関係ではなく、業務提携という契約関係にあることです。
つまり、正社員でも、派遣でも、アルバイトでもなく、個人事業主としての業務提携をすることが基本とされています。
個人事業主だからと別途手続きが必要なわけではなく、確定申告は各自行わなければならないということを意味しています。
また、当然ながら4大保険、退職金、福利厚生といった雇用関係にある場合に発生する保障は皆無ですので、親やパートナーの社会保険に加入しない場合は、医療保険料や年金は自己負担で支払う必要があります。
業務について
業務提携~お仕事開始までの流れ
提携方法はとてもシンプルです。
対象企業が出している求人採用募集にエントリーを行い、その後、採用担当者との直接面接もしくは電話面接で契約が決まります。
契約が決まると書類のやりとりにて契約成立となります。
その後、各社ごとに行っている業務開始前のマニュアルトレーニングがあるのですが、こちらもネット教材のみで完結するので、煩わしいことなく、自分のペースで仕事を始めることが可能です。
マニュアルトレーニング終了後の簡易テストをクリアすると、お仕事依頼を受けるもしくはエントリーすることができるので、契約申請後、早い方であれば、2週間目あたりから仕事を開始することができるようです。
業務スタイルは3つ
特定保健指導の業務提携の場合、業務スタイルは3つあると言えます。
- 会場型保健指導:決められた会場にて保健指導を行う
- 自宅訪問型保健指導:対象者の自宅または近くの喫茶店などで保健指導を行う
- 在宅での電話指導:1回15~30分程度の電話指導を行う
この3種類の内、契約時に自分の希望を伝えて業務依頼を受けることができるので、在宅ワークのみを希望されるようであれば、業務提携時に3の「在宅での電話指導」のみのエントリーをすることです。
業務内容とは?
提携している企業から、予定されている保健指導日程と詳細が提示され、その中で自分の都合のよい日程日を選択してエントリーしていくようです。
「会場型保健指導」と「自宅訪問型保健指導」の場合は、対象者とともに健診結果をもとに生活習慣見直し指導を行い、実際に取り組んでもらう健康プランを決めてもらうまでが達成目標となります。
「電話指導」の場合は、中間評価が目的なので、前回の面談指導にて他保健師との間で決めた健康プランをその後継続できているかなどのチェック、引き続き続けるよう促すといった指導が業務となります。
このように、対象者の方とのやりとりをする前には、指導前に必要書類や資料の事前準備、対象者への指導後はその内容をパソコン入力での報告(会社によっては紙媒体報告も必要)行う必要があります。
報酬について
報酬額の平均
気になる報酬額ですが、訪問型指導だけなのか電話指導だけなのか、両方並行するのかという働き方と業務案件にエントリーする回数、指導人数等によって、かなり変動すると言えます。
経験者の話によると、フルにお仕事をされた場合、おおよそですが、最高額で18万円程度で、週3回程度で朝9時から午後4時までで7人の保健指導を行うと、平均10万円程度の報酬は得られるとのことです。
ちなみに、保健指導における報酬額を求人広告を参考におおまかな目安をあげてみますが、企業によって異なりますので、参考までにご覧ください。
- 保健指導【自宅訪問型】約4,500円~5,500円
- 訪問指導【会場型】約1,500~2,500円
- 電話指導:約1,200~1,400円
この報酬額だけを見ると、時給換算で高額にみえがちですが、鵜呑みしてはいけない、注意点が必要です。
注意点1:事前・事後事務処理時間を含む
1件の面談にかかる事前準備と面談後の事務処理が発生するので、それを換算すると、高い報酬額とは言えないことがわかります。
注意点2:ドタキャンもある
保健指導を予定通りに行い、尚且つ決められた保健指導の目標達成ができて報酬が貰えるので、対象者の都合による急なキャンセルや電話なら連絡がつかないなどの理由から、面談が未実施となった場合は報酬額が減額となることもありえるとのことです。
注意点3:1日にこなせるタスクに限界がある
1日にマックスで処理できる人数は、限りがあります。
時間通りに次々、指導することができるなら高額収入も可能だと思いがちですが、現実には、指導時間のスケジューリング的に難しい面があるようです。
あくまで成功報酬型なので、拘束時間は同じであっても、対象者の急な仕事でのキャンセルが発生することで、報酬額が減額となるだけでなく、その空いた時間に別の指導を入れることは出来ず、空白の時間ができてしまうそうです。
そのため、運よく全員出席で1日7人をマックスに指導できる日もあれば、7人予定が3人で終わる日もあったりと、波があるので、定額の収入になりづらい難しさはあるとのことです。
対象企業
把握しているところでの企業を紹介します。
共通しているのは、全地域からの登録者を募集しており、電話やメールのやりとりで仕事受注が可能であるという点です。
2カ所とも登録をして業務委託を受けることは可能のようですが、1カ所の登録でも十分、仕事はたくさん頂けるそうなので、しばらく取り組んでみてから乗り換えるもしくは増やすことをお勧めします。
まとめ
以上、在宅ワークできる産業保健師の業務内容や報酬額、提携できる企業についての話でした。
在宅ワークに移行される方が増えている中で、看護師・保健師・助産師の資格を活かせる在宅ワークはとても少ない状況です。
今回紹介した在宅ワークの産業保健師はとても貴重な業務であると言えます。
良し悪しはそれぞれにありますが、無理なく自分のペースで働きたいという方にはとても魅力的なお仕事だと思いますので、検討余地です。
資格を活かせる仕事というのは、実は、知られていないだけでたくさんあります。
当たり前の職種に拘らず、さまざまな情報を求めて渡り歩いているうちに、知らなかった世界に出会えることもあります。
このサイトがその一翼をになれることを願っております。