こんにちは、だるまんです。
スビさん、この度は、匿名相談箱へご質問をいただきまして、どうもありがとうございます。
LINE VOOMで簡単に回答をさせて頂きましたが、詳しくはこちらで回答をさせて頂きます。
受験生の皆さまにも共有させて頂きますので、参考にしていただければ幸いです。
ご相談内容
以下のご相談を頂きました。
- ➊ 「研究方法」はどの程度書くのが一般的か。
- ❷ 教授から課題として指摘された点について、計画書に詳しく書くべきか。
※ご質問内容を要約させて頂いております。
ご回答
ご相談を頂きました内容をもとに、だるまんとして誠意をもって回答をさせて頂きます。

【結論】➊大学院受験の研究計画書には、「研究の背景」9割、「研究目的」1割でまとめるのが一般的です。この段階で、研究方法は書かなくて大丈夫です。
❷詳細な変更案まで書く必要はありませんが、せっかく、教授からご助言を頂いたので、現時点で実現可能な「方向性」を1〜2行で記述することをおすすめいたします。
A4用紙1枚における「研究方法」の適切なボリュームとは
大半の看護系大学院では、出願時に「研究計画書」の提出が求められます。
A4用紙1枚程度で自由記載となっているケースが多いのですが、ここで、『どの程度のレベルで、何をどこまで書けばいいのかがわからない』、というお声をよく頂きます。
結論から申し上げますと、『研究の背景が9割、研究目的が1割』で十分です。
一般的に研究計画書といえば、「研究の背景」「研究目的」「研究方法」「期待される結果」「倫理的配慮」」といった複数の項目で構成されるものですが、大学院受験の段階では、そこまでの網羅性は必要ありません。
なぜなら、そのこの研究計画書を実際に組み立て、ブラッシュアップしていくプロセスを学ぶ場所こそが、大学院だからです。
そのため、スビさんが疑問に感じていらっしゃった「研究計画書にも研究方法や調査対象、調査項目などを少し書いた方がよいのではないか」という点については、「不要である」というのが結論になります。
教授や審査官が求めているのは、「完璧な研究計画書」ではありません。「なぜ、スビさんがその研究テーマに取り組みたいと思ったのか」という、テーマに至る背景です。具体的には、スビさんの臨床経験における出来事、そこで考えたこと、感じたこと、そしてそこから得た気づきや問題意識のプロセスを見ています。
これが博士後期課程の受験であれば具体的な手法まで必須となりますが、修士課程(博士前期課程)においては、そこまで求められていないのが実情です。
ですから、先日の事前相談の段階で、「研究方法や目標回答数、フィールド」まで具体的に提示できたことは、教授にとっても非常に好印象であり、頼もしく感じられたのではないかと拝察いたします。
具体的な書き方
では、具体的に、研究計画書をどのように書いたらいいのか、その書き順について話を進めてまいります。
研究計画書だからといって、難しい専門用語や高度な内容を含める必要はありません。
一般的なビジネス文書の形式を守りつつ、『なぜこの研究テーマなのか』という『研究テーマの背景』を詳しく書いてください。具体的には、次の流れに沿って進めていただくと、スムーズにまとめることができると思います。
- 研究テーマの背景・歴史・制度の経緯などを述べます。
- 研究テーマの現状を述べます。(『~が明らかになっているが、~は明らかになっていない。』)
- 研究の目的を述べます。(『そこで~をすることを目的とする。』)
- 参考・引用文献を掲載します。
今回は、この流れを超凝縮した、シンプルな研究計画書の例文を作ってみました。
【例文】父親の子育て参加に関する研究計画
① 背景・歴史・制度の経緯
かつての日本では「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担意識が主流である1)。しかし、近年の共働き世帯の増加や、育児休業給付金の引き上げといった国の少子化対策・法改正により、男性の育児参加を促す社会基盤の整備が進んでいる。
② 現状
制度の充実や若年層の意識変化に伴い、男性の育休取得率は上昇傾向にある。しかし、取得期間の短さや、職場のイデオロギー(「男が休むのは難しい」という空気感)、そして復帰後のキャリアへの不安など、実質的な子育て参加にはまだ多くの見えない壁が存在している2)。
③ 目的
そこで、育休を取得した父親が直面する「職場での葛藤」と「家庭での役割の変化」を明らかにし、父親が孤立せず、持続可能な形で子育てに参加するための具体的な支援アプローチを考案することを目的とする。
※参考文献
1)厚労省:2025年国民●●調査.
2)看護太郎他:日看科誌,45(2),2025.
研究計画書を書く時の注意点
1.である調
文章は、すべて「である」調で書いてください。
2.参考文献・引用文献を入れる
上記の例文では、ダミー参考文献を入れておりますが、できれば、1~2点でいいので、①背景、②現状に文献を入れられると尚説得力が増して良いです。
なかなか時間的に文献検索が厳しければ、厚生労働省が公表している統計データとか、関連する制度に関する資料などの引用を選択するのもひとつ方法です。
3.文献は省略形式で1~2個だけ入れる
また、今回は1000文字という文字制限があるとのことですが、その文字数内に、文献は省略してでも入れたほうがいいです。例えば、
【通常の表記例1】
『厚生労働省: 2025年 国民●●調査の概況, https://www.mhlw.go.jp/…, (参照 2026-07-12).』
➡【省略例1】厚労省:2024年国民生活基礎調査.』
【通常の表記例2】
看護太郎, 医療花子. 慢性期看護における意思決定支援の現状. 日本看護科学学会誌, 45(2), 123-130, 2025.
➡【省略例2】 看護太郎他:日看科誌,45(2),2025.
という感じで、大学院入試の計画書では、URLや参照日はバッサリ削ってしまって構いません。
全文入れてそれで文字数を稼いでるように見えても困りますし、だからといって文字数を気にして全く入れないよりは、省略してでも入れておいた方が研究計画書としての見栄えは良い、という判断です。
4.指定文字数ギリギリまで書ききること
内容だけでなく、指示された事項に対して精一杯取り組むことができることは、審査官としても好印象であることは間違いないです。ぜひ、時間を尽くして、精一杯文字を埋め込んでください。
以上、ここでは、簡単に書き方の説明をしておりますが、下のブログではより詳しく解説しております。書籍1冊読むよりは簡単手短に要点だけ把握できるはずなので、ぜひ読んでみてください↓
教授から指摘された部分は多少入れておく
そして、志望校の教授との事前相談の際に、研究計画書の内容について課題のご指摘があったとのことですが、併せて「入学後に決めればよい」と仰っていただけたのであれば、それは「現時点で完璧な解決策が書けていなくても不合格にはしない」という、安心のサインです。
だからといって、その言葉を真に受けて研究計画書をそのままにするよりは、ご指摘を受けた内容を反映させた一文を、研究計画書の最後に書き加えておく方がスマートな対応といえます。
私がスビさんの立場であれば、先ほどの「研究計画書の目的」の最後に、以下のように書き加えます。
『なお、研究方法および研究対象者のリクルートに関しては、事前面談での示唆を踏まえ、協力医療機関への依頼に加え、オンラインフォームの活用等による募集経路の多様化についても、入学後に指導を仰ぎながら精査していく予定である。』
これだけで、「教授からの指摘を無視せず、真摯に受け止めて思考している姿勢」と「入学後に指導を仰ぐ柔軟性」の双方をアピールすることができます。
まとめ
以上、だるまんの回答でした。
A4用紙1枚という制限は、一見すると自由に思えますが、明確な例示がないため、「どの程度の内容を、どのレベルで書けばよいのか」と、一人で完成させるまでに不安や迷いを覚えるのは当然のことです。
しかし、今は受験のために行っている作業に思えるかもしれませんが、この試行錯誤のプロセスこそが、もうすでに大学院生活そのものといえます。スビさんはもう、大学院生としてのスタートを切り始めているのです。
ですから、ぜひ、自信をもってこの壁に挑んでください。ぜひ、スビさんの希望される道が開かれることを、心より応援しております!!
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