【看護大学院受験】経験者が語る!進学前に知っておきたい大学院ゼミの恐ろしさ!【大学院 ゼミ】

【看護大学院受験】ゼミ、ゼミって聞くけど、大学院のゼミって何?進学前に知っておかないと失敗するゼミの恐ろしさ!【大学院 ゼミ】 だるまんの勝ち組コーチング

こんにちは、だるまんです。

大学院には「講義」以外に全学生が共通して受ける「ゼミ」というものがあります。

大学のゼミと同様に捉えられがちですが、大学院ゼミはそれとかなり相違しています。

そこで、入学前に知っておきたいゼミについて解説したいと思います。

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大学院のゼミ

ゼミとは?

「ゼミ」とは、ドイツ語の「ゼミナール」の略で、本来の授業よりも深く学ぶことを目的とした学び方を意味します。

大学で卒業論文を製作するにあたり、それぞれの分野に別れてゼミという形で看護研究に取り組まれたと思いますが、大学院で行われるゼミは、大学のそれとはかなり異なる形態をしています。

看護大学院のゼミの基本

研究室によって取り組み方や内容に多少の差異はあると思いますので、筆者と筆者の周りの方々の経験を平均した話をします。

大学院で行われるゼミは、ゼミという言葉通り、全員で専門分野に関する学びを深め合うことが主な目的です。

それ以外にも、研究室の年間行事や来客、学会など不定期にあるイベント、大学講義へのアシスタントや教本の原稿書きの依頼等など、多義に渡る連絡事項や相談事項、調整事項、報告事項などのやり取りも行われます。

このゼミの時間は、研究室に所属する学生と教員が全員参加するので、多忙な教授が全生徒の安否確認することもでき、見方を変えれば、ホームルーム時間のようなものとも捉えられます。

ゼミの開催頻度は、週に1回の定例会で、平日午後からの開催、所要時間は平均3時間程度、前半後半1時間半ずつで10分程度の休憩を挟み、17~18時ピークに終了します。

当日のお品書きは、前半「輪読」、後半「研究進捗報告」の二本立てで構成されています。

これがどの研究室でも行われている「ゼミ」の共通した基本事項です。

では、ここから今日の記事の核心である、なぜ、大学院のゼミが恐ろしいのかについてお話しします。

ゼミが恐ろしい理由その①

輪読とは

ゼミでは、前半後半1時間半ずつに分けられており、多くの場合、前半では「輪読」というものが行われます。

「輪読」とは、「数人が順番に、一つの本を読んで解釈し、お互いに意見をかわすこと。」で、ゼミでは1冊の海外書籍(教本)を採用して、1年掛けて全員で輪読を行います。

「輪読」に使用する教本は、教授が新年度が始まる4月頃に決めるもので、どのような書籍を扱うかはその時になってみなければわからないのですが、大半の場合は、海外の医療系・看護系の研究技術に関する原著が使用されます。

例えば、アメリカから直接取寄せて、1冊ずつ購入するという形で手元にやってくるわけですが、さて、この本をどのように1年掛けて、全員で読んでいくのかというと、まずは、教授以外の参加者(学生と看護教員)全員で不公平なく相談をして、担当パートを取っていきます。

といっても、1年間で分厚い教科書を読み終えるためには、1人1章担当、そのページ数は30ページ以上に及ぶことはザラで、担当決めには新入生だからという情状酌量はなく、修士も博士もアカデミック云十年選手の看護教員も、全員横並び一列です。

担当となったパートと発表の日程は事前に把握できるので、タスク量が多かったとしても前もって早め早めに取り組んでおけば、それなりにやりこなすことができると普通なら思いますが、これが現実となるとそうでもないのです。

天命を待つ

輪読の日は、発表担当者が担当箇所の内容の要約を行い、それにプラスアルファで必要な下敷き知識や情報などを加え、最後に参加者全員からの質疑応答や意見などをもらうというのが通常の形式となっています。

ところが、この担当の日こそ、担当者は始まる前から緊張と不安で気が落ち込み、天命を待つかのような面持ちで始まることが大半です。

なぜなら、その時間はかなり苦痛な時間だからです。

たかが身内での1時間半の発表と思われると思いますが、これが経験してみると、されど1時間半、いつもは優しい教授もこの時は研究者としての鋭い指摘や厳しい意見、攻撃的な質問で攻めてくるので、かなり緊迫した空気感が張りつめます。

10分休憩の時こそ、和気あいあい、研究室の雑費で購入してくるお菓子や誰かのお土産配りなどがあって気が緩むようにみえますが、発表者にとっては厳しい修羅場そのもの、周りはそれを息をのみながら見守るという感じです。

なぜそんなに苦痛なのか

ではなぜそんなに輪読の時間が苦痛で、緊迫して、修羅場なのか。

原因は「英語力」にあります。

要は、原著を読み、読解した内容を皆に伝えるというシンプルな事柄なのですが、「原著を日本語にわかりやすく解説できる」ということが如何に難しいか、ここで苦戦する人がほとんどだからです。

これは、帰国子女でさえも難しく、海外で大学院を卒業してきたレベルの方がそれなりに訳せるレベルであるため、必然的に苦しむ人の方が多いということになります。

ところが、そんな条件はこの場に及んで配慮されないので、担当になった以上、ベストをつくて取り組むものの、実際には満足がいくほどの発表資料が完成しない、自分で訳していて意味が分からず、期間内に課題解決できなかったことへの自責の念を誰もが実感する、それが「輪読」の本質です。

でも、これは教授もわきまえていて、このような経験を重ねていくことで英語の実力が知らず知らずのばされたり、次回により励もうと思える原動力になったりするので、恥をかくことを恐れる必要はないと思います。

ただ、「輪読」にはこのような側面があるので、成功体験よりは失敗体験を重ねていくうちに、自信喪失していくこともあります。

これを回避したくても研究やら講義やら他の事に紛れて、輪読だけに時間を割いている暇もない、自分の英語力を品質向上させる余裕はない、要は、ゼミは待ってくれないのです。

このことを事前に知っておくことで、対策できることがあると言えます。

ゼミが恐ろしい理由その②

研究進捗発表とは

ゼミの前半では「輪読」を行うと話しましたが、後半では各学生の「研究進捗発表」が行われます。

これは、各学生・教員が現在取り組んでいる看護研究について、現在どこまで進んでいるのかを解説したうえで、悩んでいること、迷っていること、困っていることなどをオーディエンスに問いかけ、参加者が知識や情報、新たな提案やアイディアを提示してくれる、自由ディスカッションの時間となっています。

この1時間半という時間をどのように料理するかは発表者マターで、手元資料の準備、必要あらばパワーポイントを作成することもあり、この準備にはそれなりの時間を要します。

なぜなら、自分の研究について知っているのは、自分と教授だけだからです。

研究室に属する他学生や看護教員が行っている研究テーマはお互いに大まかに把握していても、正直、それほど関心ネタではないものです。

だからこそ、発表者は真っ新な人に自分の研究内容を伝える力が求められ、聞く側は、他者の研究発表を聞いて、研究知識や研究視点を養うことが求められています。

ここまでのことなら、たいして恐れることでも何でもないものです。

肝心なことは、この研究進捗発表の時間に教授からも質疑応答があるのですが、普段は優しい教授が研究者としての視点での厳しい質疑応答をしてくる点です。

その質疑応答中に怒鳴られ、泣かされ、恥をかかされることもある、このような厳しい研究室がそこそこあります。

その状況にいる学生や教員らは、助け船を出すというより、荒波なく平穏に航海できることをかたずをのんで見守るしかないのです。

このようなゼミの目的は、ただ厳しく、個人の怒りをぶつけているのではなく、研究者として厳しい研究者社会で戦っていける免疫をつけるためともいえますが、そのために恥をかくことも多いにあるということなのです。

このような険悪な雰囲気にならないためには、発表者のプレゼン力、説明力にかかっているとも言えます。

これを憂いして前もっての事前準備をすれば回避できると思いがちですが、実際にその立場になってみると、教授の研究目線での質問はどこから飛んでくるか予測がつかないので、不意打ちをつかれることも多く、そこで爽快に回答が出てこない、ということが少なくないのです。

更に、日本人特有に質疑応答、意見を言うことを苦手とする体質も、重たい空気感を醸成してしまう部分もあるのだと思います。

ゼミで失敗しないためには

ゼミとは、「発表すること」を練習する場です。

その発表の場で、恥をかくということもいい経験ですが、なるべくならば、自分の取り組み方次第で予防することは十分できるとも言えます。

そこで、上手に要領よくこのゼミの時間をやりこなしていくコツを考えてみました。

まず、どの学生も教員も事前準備に時間は掛けていても、満足できる発表になれない理由は下記の二つだと思います。

  • 英語読解力がない
  • プレゼン力がない

だからこそ、英語読解力を高める、プレゼン力を高めるための自助努力として、自学をしておくことはもちろんのことですが、これを一気にカバーできる方法があります。

それが、コミュニケーション能力です。

例えば、英語読解力がない、プレゼン力がなく厳しい質問をされたとしても、穏やかにその場を通過できる方と、火に油を注ぐ方がいます。

この差は、コミュニケーション能力であると筆者は感じています。

質問されたことの本質を即座に把握でき、それに適応した、さらにそこにプラスアルファ説明できる場合は、厳しかった教授の顔が和らぎ、そこで厳しい質問は終了になるのです。

一方で、質問の意図が理解できないままに遠回しな説明、的外れな説明をした時には、より厳しい質問がやってきます。

さらには、答えられない、準備不足さが原因になった時にはお話にならないという雰囲気でゲームオーバーです。

何が言いたいかって、やはりコミュニケーション能力が高い人こそ、切り抜ける力があるのだと言えます。

なので、直戦力として、英語やプレゼン力を高めることも大事なことですが、コミュニケーション能力で円満な人間関係を形成できる能力を身につけることも研究並みに大事であると言えます。

そのコツは、良書から教わることです。

おすすめできる良書を載せておきます。

まとめ

今回ご紹介した「輪読」にせよ「研究進捗発表」にせよ、どちらも「話す」ことです。

話し方ひとつで、その人の人柄や考え方だけでなく、頭の良さと悪さまで垣間見ることができてしまいます。

「話し方」を始め、コミュニケーション能力を高めるためにはどうしたらいいのか、それに着目をして、その道のいい方法論についてたくさんの情報を集めて、自己啓発をしていくことが、大学院ゼミでいい結果を出せる、教授とも円満な人間関係が築ける、大学院生活を楽しく過ごすことができる一番の秘訣だと思います。

長くなりましたが、大学院ゼミを垣間見て頂けたかなと思いますので、そういう厳しい修行の場であることを知って、準備して置けることを準備しておくことです。

準備された者に扉は開かれる!

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