こんにちは、だるまんです。
大学院受験の準備期間としてかける期間は、約1年であることが多いですが、その1年を学業や就業と並行して受験に取り組む方もいれば、受験生一筋で受験に取り組む方もいます。
中でも、就業をしながら大学院受験を準備しているという受験生にとって、現職の退社時期というのは、悩まれるとよく聞きます。
そこで、今回は、社会人で大学院受験準備中の方が、退社時期を迷われた時に使っていただきたい判断基準についてお話しします。
質問内容
現在、大学院受験を準備している社会人3年目の者です。職場を退社して受験に臨むべきか、それとも合格を得られてから退社をすべきか、悩んでいます。決め手となる判断材料があれば、教えて下さい。
だるまんの回答
退社のタイミング
退社のタイミングを悩む理由として、
- 仕事が忙しく、受験勉強の時間を確保できない
- 受験勉強と仕事の両立が心身ともに負担である
- 教授に在職のままの受験では印象が悪いのではないか
- 合格通知を得てからの退社の方が保険になるのではないか
- 大学院受験のために辞めると言うのは言いづらい
等などがあげられます。
これらの理由を整理した結果、「受験前に辞める」のか、それとも「合格通知を得た後に辞めるのか」という二つの選択肢の狭間で悩まれるわけですが、
これは、一概にどちらがいいと回答できず、受験生一人一人のケースバイケースで回答は異なってくるほど難しい話であると言えます。
なぜなら、志望校と受験生の英語力を踏まえての判断が必要だからです。
そこで、「志望校と受験生の英語力」における、退職時期の判断基準をお示ししたいと思います。
判断基準1:志望校
まず、志望校が旧帝大である場合、筆者が知るところでは、受験前に退職をする社会人の受験生がかなり多いです。
不合格になったら…という職場に保険をかけておきたい気持ちよりは、
「受験勉強にオールインしたい、何が何でも合格したい」という、まさに合格への熱意と覚悟のほうが勝っている傾向にあるのだと言えます。
というのも、社会人の大学院進学を迎合する大学院が増えていることから、
大学受験に比較すれば難易度が低めに設定されているのが大学院受験試験ではありますが、それでも旧帝大は人気があるので、合格するためには、
- 筆記試験で良いスコアをとること
- 教授に関心を持ってもらえる研究テーマを見つけること
- 事前相談(別名、研究室訪問、事前面接)で良い印象を持って頂くための準備をすること
といった、試験勉強以外の準備がそれなりにあり、
更に、大学院受験予備校に行くよりは、独自で試行錯誤しながら取り組む受験生が大半であることから、
情報収集から始めて、トコトン受験に取り組むとしたら、やはり、一定の時間の確保が必要不可欠であると言えます。
要は、受験対策の時間確保が第一優先になり、受験前に退職しているということです。
やはり、中途半端な気持ちで受験に挑むよりは、心身共に環境から変えて取り組むほうが、合格する確率は高いと思っての決断ではないかと察します。
判断基準2:受験生の英語力
ふたつめの判断基準は「受験生の英語力」です。
大学院受験の筆記試験では、大半の大学院で「英語」を必須教科としています。
そのほかにも専門試験や小論文等の試験もあるものの、やはり、英語スコアで高得点を取れることが優位であるのは、どの大学院でも共通して言える事柄です。
そのため、
受験時点で、どれほどの英語力があるのかによって、受験勉強に投資すべき時間量が変わってくるものです。
例えば、専門分野の英語文献を多少の用語調べ程度で読解できる英語レベルであれば、働きながらの大学院受験でも基本的に合格圏内であると言えます。
一方で、専門分野の英語文献を読むまでには至らないと感じられる英語レベルであれば、過去問を解いたり、英語文献を読んでみる等、院試の英文読解に慣れていくために量をこなすことがまず第一です。
だとしたら、仕事をしながらの受験勉強というのは、検討しなおした方がいいと言えます。
辞めるタイミング注意点
さて、ここでお伝えしておきたい、辞める時期の注意点があります。
大学院受験にかける準備期間は、約1年程度であることが多いので、キリのいい、年度末が終わる、受験の年の3月に退社をすることを検討される方が多いです。
が、ちょっと待ったです!
大学院進学において、国がキャリアアップを支援するための「教育訓練給付金」という制度を設けているのはご存じでしょうか?
この制度が適用される大学院の専攻である場合、学費の20%(最大10万円)または学費の66%が給付されるので、志望校が該当するかどうか、ぜひ調べてみてください。(教育訓練給付金検索サイト)
志望校が該当される場合は、申請することが可能ですが、申請要件として、
社会保険加入していた期間が3年以上で、かつ、受講開始日が被保険者資格を喪失した日から1年以内である必要があります。
わかりづらい方は、お住まい地域管轄のハローワークへお問い合わせをすると教えていただけます。
よって、辞める時期を逆算して決めるのも、賢明であると思います。
もちろん、この制度が志望校に該当しない場合は、辞める時期は1年前でも全く支障はないことです。
教育訓練給付金については厚労省のHPに詳細が載っています。
まとめ
以上、「社会人で大学院受験準備中の方が、退社時期を迷われた時に使っていただきたい判断基準」についてでした。
下記の2条件に該当するようなら、退職して受験勉強に励むことをおすすめします。
- 志望校が旧帝大
- 英語文献が難なく読める英語レベルではない
今回の表題において多くの方が気にされることは、教授にはどちらのほうがよいのか、ということです。
ちなみに、教授にとっては、どちらが印象がいいでも悪いでもなく、これまで積み重ねてきたキャリアと今後のプランがしっかりあれば、それでよしであることが多いです。
会社を辞めて受験生をしていたとしても、その目的が明確であり、きちんと教授に伝えられるのであれば、全く問題はない、かえって、熱意のある学生であるとみて頂けることも大いにあります。
なので、そのような観点よりは、
社会人になって改めて学べる環境や時間がありがたく、学校へ行くことそのものが心から愉しいと思える、そんな進学先であるよう、しっかり準備に取り組んで、次のステップへと歩みを進めていくことです。
努力する人だけが望むものを得ることができます。