【お悩み相談#150】国の奨学金、やめておきなさい【大学院進学】

お悩み相談

こんにちは、だるまんです。

大学院進学の学費を捻出する貯金はないから、まぁ、奨学金でも借りておくか…」と思っているとしたら、「国の奨学金、やめておきなさい」、です。

この記事を最後まで読んでからでも遅くはない、その選択が望ましいかどうか、いまいちど考えてみませんか。

今回は、大学院進学者に向けた”国の奨学金”をおすすめしない理由についてお話しします。

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相談内容

相談者
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来年、旧帝大大学院進学予定の者です。旧帝大では、働きながらの進学が難しいので、国の奨学金を申請しようかなと考えています。親が少し負担してくれると言ってくれているので、親の支援と国の奨学金、多少のアルバイトでやりくりしていくつもりです。これで博士課程まで、やりくりしていけるでしょうか?

だるまんの回答

大学院の学費工面方法

大学院進学をと思ったら、まず気になることは学費のことです。

修士課程(2年)の学費は、国公立の場合、2,343,200円(535,800円/年×2期×2年)、私立なら国公立の約1.5~2倍程度かかるので、決して気軽に進学を決められるものでもない、と思います。

この学費工面方法について、院生達に聞いてみれば、

  • 貯金を切り崩す
  • 親からの支援・親に借りる(卒業後返済予定)
  • 多少のアルバイト
  • 奨学金制度を利用する

等の中から組み合わせているという話をよく耳にします。

中でも、奨学金制度を利用している学生はかなり多いものですが、最近、ネットニュース等で、

等のシビアな話を度々目にすることが増えました。

申請をすれば、受けることができる奨学金制度ではありますが、なぜ、このような話が世間で話題になっているのか、これから奨学金をと思っている方はなおさら、今一度足を止めて、知っておく必要があります。

では、これらのニュースで言われている内容を簡単にお話ししたいと思います。

皆が使ってる国の奨学金って何?

まず、国の奨学金制度の基本的な内容についてシェアしたいと思います。

日本では、高校・大学・大学院生を対象に、学費の支払いが困難な方へ奨学金制度を行っており、この運営を日本学生支援機構という独立行政法人が行っています。

ざっくりと、大学院生枠の奨学金についてお話しすると、

  • 給付型(返済義務なし)
  • 貸与型(返済義務有)

2種類があり、貸与型の中には、返済する際の利子の有無について

  • 第Ⅰ種(無利子)
  • 第Ⅱ種(低利子)

2種類が存在します。

どの枠に該当するかは、申請した学生の家庭環境、世帯の収入額、学業の功績等を考慮して審査されるのですが、かなり厳しいため、

「貸与型奨学金の第Ⅱ種」、要は、「卒業後に利子付で返済するコース」を適用されることが多いようです。

この「貸与型奨学金第Ⅱ種」は、奨学金の金額を自ら決めることができ、5万、8万、10万、13万、15万の5種類から選択、社会人として就職した時点から支払いが発生利子は上限3%発生します。

そこで、それぞれの金額で、毎月1万5千円ずつ支払いをすると、どれくらいの月日で完済できるのか、ざっくりと、利子無しで計算してみました。

修士2年完済時期
(月1万5千円支払)
月5万奨学金の場合120万円6年6か月
月8万奨学金の場合192万円10年6か月
月10万奨学金の場合240万円13年3か月
月13万奨学金の場合312万円17年3か月
月15万奨学金の場合360万円20年

都内の大学院生が生活費までを奨学金でカバーしようと思ったら、月13万や15万を申請する人も少なくなく、卒業後の24歳から長くて20年、44歳まで奨学金の支払いが必要となります。

実際に、ニュースでも、

  • 貸与奨学金の平均額は324.3万円
  • 返済額は平均1万6880円
  • 返済期間は平均14.7年
  • 39歳以下の75.8%が返済中

と言われています。

月15,000円程度なら、なんとかやっていけるのではないか、と思い、借りている方が圧倒的に多いものですが、これが根本的な生活苦の原因になるという話は、度々見聞きするものです。

日本学生支援機構は国が経営するサラ金?

教授達に学生時代の学費工面の話を聞いてみると、かなりシビアな話を聞くことがあります。

ある方は、海外大学院の博士課程取得まで貸与型奨学金を利用したため、社会人になったのが30代初めと遅かったこともあり、50代になってやっと奨学金が完済したと言っていました。

ですが、その間に、結婚、出産、育児が重なり、生活費にプラスしての奨学金返済はかなりきつかったそうです。

ある方は、社会人時代の貯蓄をすべて大学院の学費投資に回し、生活費として貸与型奨学金を利用したそうです。

社会に出たころから返済が始まったものの、国公立大学の助教スタートでそれほど給与が高いワケでもなく、貯金もほぼゼロスタートであったことから、一人暮らしであってもかなり苦しかったという話でした。

このように、大学院を卒業したてで、いきなり給与が良くなるわけではない日本社会で、いざ返済するとなると、結構大変な事柄のようです。

中には、滞納した方へ督促状のような連絡が来ることもあることから、日本学生支援機構は国が経営するサラ金だという言葉も一部言われている通り、それくらいに当事者にとってはシビアな話だと言うことです。

このように、実体験をしている方々の話を聞いて、同じ轍を踏まない選択が重要だと思います。

奨学金返済の対処方法

では、奨学金を借りずに大学院進学費用をどのように工面するのか、いくつか方法を提案します。

  1. 長期履修制度で標準修業年限を1年又は2年延長する
  2. 昼夜開講制度が利用できる大学院なら働きながら進学する
  3. 民間が行っている返済が不要の、給付型奨学金を受ける
  4. 教育訓練給付金を利用する

こちらの記事により詳しくまとめましたので必要な方はご覧ください⇓

もし、奨学金に頼らざるを得ないようであれば、

日本奨学金機構が支払い支援のために行っている様々な制度もありますので、それを細かく調べて計算しておくことです。⇒貸与奨学金案内

また、近年、採用職員に対して行う「奨学金返還支援」というものを行う企業が増えていることや、自治体からも支援が行われているというニュースもありますので、気になる方はこちらの記事を参考にしてみてください⇓

学業の“借金”は平均324万円、返し終えるまで月1.7万円を15年…奨学金の現状と返還支援の動き

まとめ

以上、「大学院進学者に向けた”国の奨学金”をおすすめしない理由」でした。

奨学金のシビアな話と、その対処方法についてお話ししましたが、それ以外に、進学予定先の教授にも相談を持ち掛けてみるとよいと思います。

教授は、単に学位取得の為だけの指導教授ではなく、担任でもありますので、学費工面に不安を感じているのであれば、その旨を正直に、早めに相談をしてみることです。

今、この記事でご紹介している内容以外にも、教授が知る別の方法を提案して頂ける可能性も十分あります。

学費はそれなりに高いですが、それ以上に得られるものが大学院にはあります。

あるだけの情報をたくさん集めて、人々にも相談して、長期的な眼目で、よき判断をしてください。

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