【お悩み相談#146】大学院のゼミってめちゃくちゃ厳しいってホント?【大学院生】

お悩み相談

こんにちは、だるまんです。

大学院生になると「大学院で何してるの?」と、度々問われます。

それもそのはず、大学生活であれば、大学生経験の有無を問わずとも、ざっくり想像はつくものですが、かたや、大学院生というのは、あまりスポットを浴びないので、

高い壁の向こう側のように、その実態は非常に見えづらいと、よく言われています。

そんな高い壁の向こう側へ行くチケットを手にした入学予定の皆さまへ、進学後の生活を少しでもイメージして頂けるように、今回は、大学院で行われているゼミとは、どのような感じなのかについて、お話しします。

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相談内容

相談者
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晴れて大学院受験に合格、来年に大学院入学予定です。知人の大学院生から、大学院のゼミというのはめちゃくっちゃ厳しいと聞きましたが、ほんとですか?具体的に、何をするのですか?

だるまんの回答

大学院のゼミとは

大学生になると「ゼミ」という言葉を耳にするようになりますが、

この「ゼミ」というのは、ドイツ語「ゼミナール」の略語で、

教授などの指導のもとに、少人数の学生が特定のテーマについて研究し、報告・討論するもの」という意味を持っています。

この意味の通り、大学生4年生になれば、「ゼミ」と呼ばれる授業が始まり、教授から直接指導のもと、論文の書き方のイ・ロ・ハを学びながら卒業論文の作成、初めて研究活動に取り組むことになります。

この「ゼミ」の授業というのが、大学院のシラバスにも組み込まれています。

大学院ゼミの基本情報

具体的に、

ゼミは、

  • 大学院修士課程の学生(M1、M2)
  • 大学院博士課程の学生(D1,D2、D3)
  • 研究生などの学生
  • 教授を含めた教員ら

から構成され、毎回、その構成員が全員参加します。

平均の開催頻度は、

週1回平日の午後から3時間程度

で行われることが多く、その3時間内に、

  • 前半1時間半で輪読1名発表
  • 後半1時間半で研究進捗内容の発表1名
  • プラスアルファで研究室内の連絡事項

というお品書きで、毎回開催されている傾向があります。

輪読とは?

ここで、大学院生になるなら知っておきたい、「輪読」について補足しておきます。

「輪読」というのは、院生全員で年間通して読破する書籍1冊を教授が決め、発表箇所を分担、各自担当の内容を毎週1人が要約・発表を行い、その内容をもとにディスカッションをする、という学習方法のことを指します。

この輪読では、外国書籍や文献を採用するケースが多いので、この発表準備のために、夜な夜な、四苦八苦している大学院生は、かなり多いと言えます。

研究進捗内容の発表とは?

次に知っておきたいこと、「研究進捗内容の発表」では、取り組んでいる修論や博論の進捗状況を発表し、その内容から意見や助言、質問、所感などを自由なディスカッションを行います。

発表形式に決まりはないので、より理解してもらいやすい発表方法を考え、発表資料としてのパワーポイント作成や参考資料作成が必要になるため、これも、そこそこ準備時間のかかる発表の一つです。

さらに、発表後のディスカッションでは、発表内容やデータ資料等に対する質疑等も待ったなしで飛んで来るので、ホームグラウンドでの発表であっても、かなり緊張する時間となります。

大学院のゼミは恐ろしい

ここまでのお話しを読んでいただいて、

大学「ゼミ」よりハードルが上がるということを、なんとなく、感じて頂けると思いますが、

ゼミの時間が好きな学生は…知るところでは、そう多くないと思います。

なぜなら、

どの大学院、どの研究室でもゼミの時間とは「とっても厳しい、良い意味で恐ろしい時間」だからです。

どう厳しいのかといえば、「恥をかく時間」、という感じです。

例えば、自分が発表している最中に、咄嗟に、教授から、

えぇ?その内容であってる?

なんて、無表情で冷静に淡々と言われると、一瞬で背筋が凍りつくものです。

それ以外にも、

  • それは違くない?
  • まぁ…う~ん…、はい、いいですよ、続けて。
  • ちょっと待った、そこをもっと詳しく説明して。
  • うーん、僕はなんかよく理解できないけど、皆は今の説明でわかった?
  • なんかよくわかんなかったんで、来週もう一回やって。
  • そういう風にまとめるにはちょっと違くない?
  • エビデンス少くない?
  • どういう判断で、君はそういう結論になったわけ?
  • ねぇ、ちゃんと資料読んできてます?
  • あなたのために皆が時間ロスしてるんですけど。

等など、ゼミ生全員の前での発表中に、このようなコメントを頂くと、誰でも、唾をのみこむ音まで聞けるほどシーンとした雰囲気に飲まれて、発表者含め参加者まで、心の中ではソワソワ、落ち込むものです。

決して感情的に怒られているわけではないのですが…
冷静さがかえって恐ろしいといいますか…

教授が求めるレベルに応えらていないことに対する無力感、羞恥心、落ち込み感が襲い掛かってくるので、発表後に達成感を感じるよりも憂鬱な気持ちになる学生の方が圧倒的に多いと思います。

ここで誤解してほしくないことは、大学院生の努力不足による結果なのではなく、発表日までかなり準備をしているにもかかわらず、こういった冷静なコメントをもらうことが珍しいことではない、ということです。

こういうゼミでの痛い体験談は、大学院生なら誰にでもある話、あるあるなので、必要以上に恐れる必要はない、通らざるを得ない関門だと思って心しておくことだと思います。

なぜゼミはめちゃくちゃ厳しい?

では、なぜ大学院のゼミは、いい歳した大人が凍りつくほど厳しいのか、について考えてみました。

それは、大学院の本来の目的が「研究者養成」にあるために、研究に対する厳しさを知ってもらうための愛のある洗礼なのだと察します。

ところが、学生によっては、この厳しさが毎回であったり、時には感情的になる教授もおり、

指導上のことだとわかっていても、その空気感に絶えられない、乗り越えることが出来ない場合に、教授との良い関係性が築けず、メンタル的なダメージを受けてしまい、大学院を後にする方も少なからずいるのも事実です。

よって、大学院ゼミとは基本的に厳しい場であることが多いですが、その厳しさを乗り越えられれば、研究者として確実に成長していくことができるもの、皆が通る道です。

博士課程にもなれば、その厳しさに慣れ、教授が求めるレベルの発表をしていくことが出来る人がほとんどです。

それが、結果的には、研究者として、国内外の学会で発表できるスキルと度胸を育成しているのだと思います。

しかしながら、その厳しさが時に歪んでいることもあるので、愛のある正しい厳しさなのか、歪んだ個人的な感情による厳しさなのかは、学生としてもしっかり判断して、必要な時には学務課への相談も必要であるということを知っておいてください。

まとめ

以上、「大学院で行われているゼミとは、どのような感じなのか」でした。

上記の内容から、進学前から大学院のゼミに恐怖を覚える必要もないものですが、心しておけば、大きなことも砕いて、小さく捉えることができます。

ゼミ以外の時間には、教授も親切に対応してくださるもので、誰よりもあなたを育てる教育者としての責任感から、心を鬼にしている時もあることを知り、それに応えられる努力を精一杯するべきだと思います。

それが結果的には自分に返り、自分の成長にもつながります。

世の中に、私が成長するために厳しく叱ってくれる人が何人いるでしょうか。

その人こそ、あなたが良くなることを心から願っている人だと思います。

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