こんにちは、だるまんです。
看護師免許を活かして、キャリアチェンジできる職種の代表といえば、「保健師」と「助産師」です。
「保健師」と「助産師」は、看護師免許取得者(取得見込み者)であれば、臨床経験年数がなくても養成課程に進学できる、最短1年で取得できることもあって、年齢関係なく、キャリアチェンジを検討される方、実際にされた方も非常に多いです。
ケアの対象も業務内容もかなり異なる職種なので、選択する前にはよく天秤をして、ベストな選択をして頂きたいと思います。
そこで、今回は、「資格を取るなら保健師と助産師、どちらがいいのか」を決めるポイントとして、「就職先の違い」、「給与の違い」、「将来性の違い」の3つの視点で比較をしてみたいと思います。
質問内容
保健師もしくは助産師の資格を取りたいと思っています。それぞれの違いや将来のことを踏まえての決め手ポイントがあれば、教えて下さい。
だるまんの回答
その1.資格が活かせる就職先の違い
資格取得者は、それぞれ、どのような職場を選択することができるのでしょうか。
資格取得後は、臨床経験を積むために、助産師なら医療機関へ、保健師なら自治体の保健所や保健センターへ就職するのが大半です。
そこである程度の臨床経験を経たうえで、転職を、と、思った時が訪れた時、どのような選択肢があるのかを知っておくことです。
これから先、何が起きるかわからない不分明な時代に生きている者として、人生の選択肢がどれぐらい広がるか、本職を含め、自分をどこまで活かせるか知っておく必要があるからです。
助産師資格取得者なら、
- 大学病院、産院、産婦人科・小児科病院で管理職を目指す
- 地方公務員になり、保健所や保健センターに勤める
- 助産院を開業する
- 妊産婦教室やベビーケア等の事業を行う
- 海外NGO団体に就職する
- 大学教員になる
といった道があると言えます。
保健師資格取得者なら、
- 地方公務員で、保健所や保健センターに勤める
- 企業の健康管理室に勤める産業保健師になる
- 健診センターで健康相談業務に就く
- 学校保健室の保健師になる
- 高齢者福祉施設に保健師として勤める
- 大学教員になる
- 健康福祉関連の企業に勤める
といった道があります。
ここからわかる、それぞれの強みとして、
助産師は専門性の高さからして、職場選択の幅は狭いが、独立できる可能性が高い
保健師は、独立性は低いが、地方自治体、一般企業や学校などでの採用枠が多いので、他業界への進出ができる
ということが言えます。
専門性の高さを究めたいのか、職業選択の幅を広げておきたいのか、熟考してみることです。
その2.年収の違い
つぎに、年収の違いについてです。
それぞれの職種の平均年収について、他サイト(引用:ナーステート)のデータをお借りしてきました。
年収目安 | 看護師平均年収 | 差額 | |
産業保健師 | 600万円 | 483万円 | +117万円 |
地方公務員 | 537万円 | 483万円 | +54万円 |
学校保健師 | 450万円 | 483万円 | +33万円 |
助産師 | 500万円 | 483万円 | +16万円 |
こうしてみると、明らかに、産業保健師がダントツに年収が高いことがわかります。
ここで、働き方についても合わせてご紹介します。
産業保健師は、採用人数は少ないとはいえ、採用を行う企業は多く、それも一部上場企業も多数あるので、給与は必然的に高くなり、会社員として、他業種の方々と働くことが可能な魅力あるお仕事です。
一方の地方公務員や学校保健師は、高給取りではない、かえって実家に住んでいなければまともに暮らせないというのは、保健師間でのあるある話です。
その代わりに、デスクワークが多く、9時5時のカレンダー通りの働き方に、プライベートとのワークライフバランスが取れる方が多いです。
助産師については、夜勤や医療機関によっても差がでてくるので、自分の働き方の選択次第で、高給取りにはなりますが、保健師とは異なり、職業柄、カレンダー通りではない不規則なシフトに、体力的な負担は否めない部分があります。
その3.将来性の違い
将来性については、私見になりますが、少子高齢社会である日本において、将来性は保健師のほうが多少有利ではないか、と思っています。
なぜなら、
- 保健師のケア対象は妊産婦・新生児・乳幼児・成人・高齢者まで、幅広い世代である
- 一般企業・自治体・学校・高齢者福祉施設など保健師を必要とする業界が多い
- 公務員になれる割合がとても高いので、職業が安定しており、プライベートでも安定する人が多い
- デスクワークが多いので、定年を過ぎても保健師でのアルバイトは体力的にも可能
だからです。
あくまで一意見としてですが、保健師は、需要のある職場とケア対象が広い、限定されていないだけに職場選択肢は必然的に広がる特権があります。
一方の助産師は、専門性の高さから職場選択とケア対象は限定的ではありますが、だからこその仕事のやりがいや使命感は、保健師に比べてはるかに大きいと思います。
結局どちらがおすすめ?
一私見を踏まえてのお話をしましたが、どちらにするかは、自分の性の適性を照らし合わせてみるべきだと思います。
臨場感を求める方であれば助産師、安定したルーティーンを求めるなら保健師だと言えます。
周りに振り回されず、自ら自分の適性能力を把握したうえで、条件というより、向き不向きを振り分けて選択することです。
幸せの形と基準は、人それぞれです。
あなたの幸せは、あなたにあり、です。