こんにちは、だるまんです。
看護師免許取得者であれば、さまざまな専門資格取得ができ、そのうちの一つに助産師があります。
現在のところ、助産師資格を取得できる養成課程には、専修・短大の専攻科、大学別科、大学編入、大学院の4種類があります。
同じ助産師の資格を取得するという目的は同じなのですが…いったい、何が違うのでしょうか。
今回は、専修・短大の専攻科、大学別科、大学編入、大学院の違いや特徴について調べた内容と、そのうえでどちらが一番おすすめなのか、お話ししたいと思います。
質問内容
助産師資格を取得したいのですが、調べてみたところ、専修学校・短期大学の専攻科、大学4年生編入、大学の別科、大学院という4つの選択肢があることを知りました。それぞれ何が違いますか。また、将来を踏まえて、どちらがおすすめでしょうか。
だるまんの回答
助産師養成校の整理
をしてみたいと思います。
助産師養成課程の進学先は、大きく分けて4種類あります。
- 専修学校・短大の専攻科
- 大学の別科
- 大学3年生に編入
- 大学院進学
同じ資格取得養成課程ながら、何が違うのか、かえって、どちらを選ぶべきか、悩むところです。
そこでそれぞれの特徴について触れたいと思います。
専門学校・短大の専攻科とは
「専修学校・短大の専攻科」とは、看護師資格取得者・取得見込み者が入学できる1年課程の養成課程のことです。
- 入学定員は20~30名程度と募集人数が多い
- 1年という短期間で受験資格を取得できる
- 県立の場合、学費がかなり安い
- 学校数が多い
とあって、受験者数はどの学校でも多く、倍率は高いという話はよく聞きます。
入学要件は、
「看護学校若しくは厚生労働大臣の指定した看護師養成所を卒業した者(卒業見込みの者を含む)」
となっており、学歴関係なく進学できるメリットがあります。
大学別科とは
「大学別科」とは、特別の技能教育を施す目的で大学が設置している養成課程です。
- 入学定員は20名~30名程度の学校が多い
- 1年という短期間で受験資格を取得することができる
- 養成課程のある大学別科は少ない
- 学士がなくても進学できる
といった特徴があり、学費に関しては、私立の専門・短大の専攻科と同等くらいでした。
大学付属の養成校なので、その大学卒業者で進学者というケースも多いです。
それ以外は、上記の条件を踏まえても、専門・短大の専攻科とそれほど違いはないと言えます。
大学編入とは
「大学編入」とは、助産師養成課程を持つ大学の看護学部のことです。
専門・短大卒業者であれば、大学の3年制に編入することができ、
- 卒業時に学士と助産師国家試験受験資格を得られる
- 2年間履修で学費はかかるが、国公立であれば私立専門・短大と同等
- 学校によっては、保健師国家資格受験資格も得られる
などの特徴があります。
大学では、看護師は必須として保健師と助産師課程は選択制、看護師と保健師は必須で助産課程は必須にしている等、設置状況がさまざまです。
日本看護協会の資料大学の設置状況一覧を見て頂くと、該当校がわかります。
2年という時間はかかりますが、学士取得ができ、願わくば、トリプル資格取得者になれる点が大学編入の魅力だと思います。
大学院進学とは
「大学院進学」とは、助産師養成課程のある修士課程の助産学専攻のことです。
- 入学定員は2~5名と少数で比較的受験倍率は下がる
- 2年間履修で看護研究が学べる
- 学士がなくても進学できる方法がある
- 卒業時に修士号と受験資格を得られる
といった特徴があります。
2年間で資格取得のみならず、看護研究を学べる、修士号取得ができ、臨床経験後は博士課程への進学で大学教員への道も近くなる可能性があります。
大学院進学のメリットはこちらの記事にまとめています。
4種類を比較してみました
ということで、上記の概要をより詳しく端的に、比較してみました。
専攻科進学 | 大学別科 | 大学編入 | 大学院進学 | |
履修期間 | 1年 | 1年 | 2年 | 2年 |
取得する学位 | 専攻科修了 | 専攻科修了 | 学士 | 修士学(助産) |
取得できる資格 | 助産師国家資格受験資格 | 助産師国家資格受験資格 | 助産師国家資格受験資格 (保健師国家資格受験資格 ※養成課程がある大学の場合) | 助産師国家資格受験資格 |
入学要件 | 看護学校・厚生労働大臣指定の 看護師養成所卒業者 ・卒業見込み者 | 看護学校・厚生労働大臣指定の 看護師養成所卒業者 ・卒業見込み者 | 看護学校・厚生労働大臣指定の 看護師養成所卒業者 ・卒業見込み者 | 学士取得 (学士がない場合は出願資格審査を 受けることが可能) |
学費 | 公立:30万円 私立:120万円 | 公立:100万円 私立:200万円 | 国公立:130万円 私立:200万円 | 国公立:130万円 私立:200万円 |
定員 | 15~25名程度 | 15~25名程度 | 5~10名程度 | 2名~10名程度 |
給与の違い (東京大学病院参考) | 239,836円 | 専修・短大卒の場合:239,836円 大卒の場合:254,057円 | 254,057円 | 267,321円 |
ここで、補足ですが、学費については、数校を参考に算出しているので、大まかな括りであること、ご了承ください。
また、助産師課程において有益な情報として、「教育訓練給付金」という、学費の50~80%を給付してもらえる嬉しい制度があります。
もちろん、適用には条件があるのですが、該当校であるかどうかは、厚労省の検索システムで検索することができます。
ご参考までに、2022年4月現時点での適用校を貼っておきます。
※「専門実践教育訓練」適用している大学院は、京都大学大学院です。
将来を踏まえて、どこがいい?
さて、ここからは、完全なる私見になりますが、個人的には大学院進学をお勧めします。
その理由は二つあります。
理由その1
まず、誰もが気になること、それはお給料の差だと思います。
東京大学病院の給与を参考に見てみると…
専攻科進学 | 239,836円 |
大学別科 | 専修・短大卒:239,836円 大卒:254,057円 |
大学編入 | 254,057円 |
大学院進学 | 267,321円 |
専攻科と大学院卒では、3万円以上も差があることが一目瞭然です。
理由その2
そもそも、看護に高学歴って必要?と思われる方も中にはいることと思います。
が、しかし、社会に出てみれば、日本社会は目に見えて学歴社会です。
それは、看護業界では尚更です。
近年、高度実践看護師養成課程をどんどん大学院へ設置しているので、今後、大卒看護師が増えてきているのと同様、大学院卒看護師という人々が増えてくると、筆者は見込んでいます。
院卒助産師
院卒助産師になれば、必然的に給料が高くなり、人事からの期待値は高くなり、看護研究力の知識実践力の技術もアップします。
中には、大学に編入をしてから大学院へと考える方もいるかもしれませんが、最近は、大学院でも学士無しで入学できる制度がありますので、遠回りせずに直行するのも大いにありだと思っています。
1~2年という時間をかけるのであれば、大学院進学を検討されてみては、如何でしょうか。
助産師養成課程は全国助産師教育協議会のサイトで検索することが出来ます。