こんにちは、だるまんです。
第1志望校の大学院受験で不合格になった場合、研究生として志望先研究室に属しながら翌年の受験をする方も少なからずいます。
ところが、研究生になりたいと教授に申し出たところ、断れたというご相談がありましたので、その事例をもとに、研究生を断られる理由、断られた際に確認すべきことについてお話しします。
質問内容
第1志望校は不合格でした。第2志望校は合格しましたが、やはり第1志望校に進学をしたいので、受験浪人をするつもりで、第1志望校の教授に、研究生として入学させてもらえないかと相談をしました。ところが、教授が「研究生は募集していない」というのです。これはどういう意味ですか?私のことを遠回しに断っているのでしょうか?
だるまんの回答
研究生とは
このサイトでも度々ご紹介をしていますが、大学院には正規学生ではない「研究生」という入学枠があります。
「研究生」は、正規生よりも学費は安く、基本的に授業はないですが、所属する研究室の一学生として、研究室のゼミに参加したり、研究指導を受けることはできます。
この「研究生」という入学枠については、各大学院の学生課窓口に問い合わせをすれば教えてもらえると思いがちですが、意外と、大部分は「志望先研究室の教授に相談をしてみてください」と言われます。
なぜなら、研究生になれるかどうかは、教授の判断次第だからです。
教授が研究生を入れる理由
一般的に「研究生」というのは、1年間非正規学生として、ゼミで学ぶ学生を意味していますが、具体的には、
- 他専攻からの転科者
- 社会人
- 大学院受験浪人生
- 外国人留学生
というように、学生一人一人の背景を察しての待遇なのですが、基本的に共通していることは、「来年度にその研究室を正規学生として受験をする方」であるということです。
そのため、「研究生」というのは、ほぼその研究室に片足を入れた状態で、受験に挑むわけですから、ほぼ大学院合格率を半分握っているといってもいいほどの有利な立場にあります。
よって、誰でも「研究生」になれるわけではなく、教授との相談のうえで、教授の判断、要は許可が必須になるということなのです。
断られる理由
ところが、あいにく、相談を持ちかけたところで、断られるということもあり、考えられる理由は3点あります。
1.大学院に研究生制度がない
大学院によっては「研究生」という入学枠そのものを設置していない場合があります。
これは学校の方針なので、ご自分が希望していたとしても、これは叶わないことですから、諦めて受験浪人をするのか、「研究生」の入学枠を持つ他大学院への受験を再検討する必要があります。
2.その研究室で研究生制度を設けていない
大学院自体に「研究生」制度があったとしても、その研究室では「研究生」の受け入れをしていない場合があります。
これは、教授が研究室が持つ研究費や人員、時に自分の異動や退官時期等をふまえて、正規生以外は取らないとする受け入れ学生の調整をしていることがあるからです。
こういう場合も、受け入れをしないということには変わりがないので、再受験をして正規生として入学することを検討するか、「研究生」の入学枠を持つ他大学院への受験を再検討する必要があります。
3.進学の受け入れが難しい
「研究生」を申し出たとしても、教授の判断でお断りされることもありえます。
直接的にお断りをすることもあれば、中には「研究生は募集していない」ということを理由にお断りをしてくることもあり、これは、なんとも言い難いことではありますが、この研究室への進学は断念したほうがよさそうです。
その理由は、受験者の進路や研究内容、スペック等が合わないと判断されることもあれば、在学中or卒業大学のゼミの教授と連絡のやりとりをしていることも時にありますので、お断りされた理由は、計り知れないところです。
断られたらまず確認すること
万が一、研究生を申し出たところで、教授からお断りのようなお話があったら、その大学院の学務課に電話をして、
- 大学院では研究生制度は行われているのか?
- 大学院では研究生は実際にいるのか?
という2点について確認をしてみてください。(※この時、わざわざ個人名を言う必要はありません。一受験検討者や受験生という立場で聞いてみてください。)
もし、この答えから、
- 研究生制度もあり、研究生は実際にいる⇒断られている可能性が高い
- 研究生制度はあるが、研究生はほとんどいない⇒制度が活用されていない可能性が高い
- 研究制度はない⇒制度自体がない
というように、教授が断る背景を予測することが出来ます。
注意点
しかしながら、肝心なことは、単に「研究生を受け取るかどうか」ではなく、その際の教授の受験生に対する態度だと思います。
あくまで教授に教えを仰ぎたい一心で門戸を叩く受験生に対して、教授は上から目線ではなく、礼儀には礼儀を持って返す、人として、紳士淑女であるべきだと思います。
仮に、メールを送ったところで返信が来ない、返信が遅い、断られる理由に誠心誠意のない内容であるとしたら、教授の社会的人柄を垣間見たと思って、早めに進路を変えることです。
教授というのは、アカデミック界で言うならば、師匠にも、恩師にもなりますが、自分の保護者のような存在でもあります。
相性が合わない、空気が合わない、馬がが合わない等、少しでも自分との融合性を図れないと感じるようであれば、いくらその学校に自分の求めた条件にあったとしても、ゴリ押しして入学しないことです。それがかえって、後々悩みの種になりかねないからです。
まとめ
以上、「研究生になる方法、研究生を断られる理由、断られた際に確認すべきこと」でした。
本望通り、第1志望校の大学院に進学出来れば何よりのことなのですが、予想意外なことで、遠ざからざるえないとしたら…自分ができることを最後まで取り組んでみるべきではありますが、執着はしないことです。
自分の思い通りに、得たいものが得られたら幸せだと思いがちですが、意外と、得たいものが手に入ると、それを守るために人は必死になるものです。
その必死さが苦悩を生むとしたら、それは本当の幸せな生き方ではないと思います。