【お悩み相談#120】大学院の専攻を活かした仕事をすべきか、それとも好きなことを仕事にすべきですか?【大学院】

お悩み相談

こんにちは、だるまんです。

大学教員や研究者を目指して、または専門の資格取得を目標に大学院へ進学したものの、在学期間中に、この道が自分には合っていないのではないかと職業の適性について悩むことがあります。

ここまで進んできた道のりを考えれば、戻るには遠く、進んでいくには気が遠く…どうしたらよいのでしょうか?

今回は、大学院での専攻を活かした仕事に就くべきか、それとも好きなことを仕事にするべきかについてお話しします。

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質問内容

相談者
相談者

大学院M2の者です。学部の頃から研究職に憧れて大学院進学を決めており、予定通り進学をしたのですが、最近、自分のやりたいことがなんなのか、わからなくなりました。研究をすることは苦ではないですが、飽きっぽい性格もあって、楽しいとは思えておらず、研究職が性に合っていないのではないか、と思うようになりました。だからといって、これがしたいというものもありません。これから就活に入るのですが、専門を生かした就職をすべきか、好きなことで選ぶべきか…だるまんさんは、どう思いますか?

だるまんの回答

学びに無駄はない

世間では、「好きなことを仕事にすべきだ」という時がありました。

その結果、「好きなことは趣味に留めておき、仕事にしてはいけない」と言われるようになりました。

一般的ではないですが、ごく、私、個人の考えでお話しするなら、

「卒業後3年は専門関連の仕事に就き、その間に転職の準備をする」

ことをおすすめしたいと思います。

なぜなら、自分の人生に常に保険をかけておく、リスク管理をしておく必要があるからです。

人生に保険を掛けておこう

まず、相談者さんは新卒ということなので、やはり、どの進路に進んだとしても、「石の上にも三年」という日本社会の暗黙の了解は経る必要がある、避けて通れない道です。

そのため、どこかで3年は経ることが先ずのことになりますが、まずは自分の業界で3年経てみることです。

「自分の業界で3年」を経る理由は、

  1. 自分の適性を確かめるため
  2. 他業界へ転職準備をするため
  3. 他業界へ転職した時に後悔しないため
  4. 新卒と第二新卒は扱いが異なるから

です。それぞれについてお話しします。

1.自分の適性を知るため

まずは、単に大学院生活というものが合わなかっただけなのか、それとも、この業種自体が自分に合わないのかを知るために、実際にその場に身を置いてみることです。

想像するより、実際に経験をしてみれば、その後、どのような選択をしようとも自分が一番納得できるからです。

その場が自分に合っていると思えれば、そのまま継続するのもよし、やはり合わないと感じるのであれば、3年後に退職することを目指して、就職時から計画をして着々と次のステージを準備することです。

2.他業界へ転職準備をするため

何事もそうですが、常に新たな物事を始めるには、準備が必要です。

準備なしで行き当たりばったり、人生選択をしているようでは、自分の人生を自分で舵取りできるどころか、自分に振り回されて流される人生になりやすいものです。

準備すれば選択肢が増え、人生のチャンスが来た時にしっかりつかむこともできます。

そのためにも、まずはよく調べて熟考して、それに取り掛かる準備を1年、2年と長期で構えて取り組むことです。

そうすれば、後から後悔をしたり、知らなかったことに失敗する可能性の低い、これこそ、人生のリスク管理です。

3.他業界へ転職した際に後悔しないため

早かれ遅かれ、他業界へ転職をしてうまく行かないこともありえます。

その時に、3年の業界実務経験があれば、いつでもその業界には戻れる場所があります。

このように、「気持ちさえあれば、いつでも戻れる職業・業界がある」という人生の選択肢を一つでも多く残しておくことは、生きていくうえで、非常に大きな心の支えになるものです。

かえって、その支えがあれば、転職をしてもうまくいくものとも言えます。

4.新卒と第二新卒は扱いが異なるから

大学院卒者で新卒入社しなかった場合は、転職先では第二新卒になります。

第二新卒で入社するのと、新卒で入社するのでは、やはり若干社内の風当たりは異なるものです。

新卒だからこそ許される部分、教えてもらえる部分こそありますが、第二新卒というと少なからず社会経験を経ているからこその期待値は高く、初歩から業務を教えてもらうという立場からは程遠いです。

就職先にもよる部分はありますが、「新卒」という1度しかない特権をどこで使うかを熟考して決めるべきだと思います。

好きなこと×出来ること

さて、3年の実務経験を経たら、その後、関心のある他業界や他分野へ転職・転業をすることは大いに賛成です。

少なからずの3年の経験を経たからこそ、少しは業界のこともわかり、学業での学びが活かせたこと、いつでも戻れる職業の保険ができたからです。

人生100年時代、仕事は一生続けていくことがらですから、自らがやりがいをもって長期的に継続できる職業に出会えること、それには年齢は関係なく、それが元の専門分野を活かした職業でもそうでなくてもよいと思います。

ただし、

「好きなこと」を単独に仕事にするのではなく、好きなこと×出来ることを掛け合わせた職業を探す

ということです。

質問者さんは「好きなことを仕事にしようかどうか」を考えているようですが、好きなこと=自分が上手なこととは限らず、それが経済的独立が出来る術になれるかといえば、意外と際どいものです。

さらには、何が好きなのかが現時点でわからないとのことなので、好きなことを仕事にするというのはあまりに漠然とした選択と言えます。

今は副業時代でもあるので、本業とは別に、好きという関心が転じて何かと自分ができることがサービス化できれば副業にもなり、それが社会のニーズに合えば、本業と化していくこともあります。

要は、「好きなこと」というのは、一種にきっかけに過ぎないです。

有名な翻訳家の戸田奈津子さんは映画好きが転じて翻訳士になられたように、その好きなことをきっかけにして、自分が出来ることはなんなのかに気づくことですが、それはご自分が常にアンテナを高く、幅広い良い情報を集めて、常に進路に悩み考えていれば、ふと、「これだ!」と思える職業やアイテムに出合えるはずです。

まとめ

以上、大学院での専攻を活かした仕事に就くべきか、それとも好きなことを仕事にするべきかでした。

大学や大学院での学びを直接的に今の職業に活かせている人というのは、実際どれくらいいるでしょうか。

学生の頃は、学びを活かした職業をと思って選択した学問であったとしても、その後に出会った人々、経た経験によって、人生選択は変わっていき、5年後、10年後、20年後、想像したどおりの人生になれている人はそれほど多くはないはずです。

どのような職業選択をするにせよ、最終的には、この職業に就くことができて本当によかったと、心からそう思える仕事を持てる人こそ、本当の幸せな人生だと思います。

自分に合った、やりがいを感じられる仕事とは必ずあるはずなので、その仕事に巡り合えるまで、ひたすらたゆまぬ努力を続けていくことです。

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