【お悩み相談#116】経済学部出身だけど、医学修士って取れる?【大学院受験】

お悩み相談

こんにちは、だるまんです。

大学院進学を検討される際に、学部系列とは全く異なる専攻の学問に関心を持つことがあります。

その例として、医学修士または医学博士を取得できる「医学系大学院」への進学がありますが、果たして、医学系列ではない学部卒の方が医学系大学院へ進学できるのかどうかについて、お話しします。

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質問内容

相談者
相談者

大学で経済学部を専攻した者です。仕事柄、メディカル・ヘルスケア系に関心があり、医学系大学院への進学をしてみたいと思っているのですが、やはり医学部卒者でないと、医学系大学院って行けないですよね?

だるまんの回答

結論

相談者さんのご質問に対して、結論から言います。

下記の東京大学大学院医学系研究科の募集要項を参考にすると、

東京大学大学院

医学系大学院への受験資格に、「医師免許」が必須とは書かれていないとおり、

医学部卒者以外でも、医学系大学院への進学は十分可能ですが、専攻は限られる

となります。

要は、募集要項に「医師免許必須」と書かれていなくても、実は医師免許が必要な専攻というのは一部あります。

なぜ、医師免許が必要な専攻と、そうではない専攻が存在するのか、東京大学を例にして、簡単に医学系大学院の構成についてお話しします。

東京大学医学系研究科を例にして

「医学系大学大学院」と聞くと、先入観から「医師免許がなければ進学できない大学院」というように捉える方が多いですが、実際には、そのようなことはなく、

医学系大学院には医師ではない学生のほうが圧倒的に多い

です。

例を挙げるとしたら、卒業学部には、理学部、生物学部、工学部、農学部、薬学部、看護学部、栄養学部等など、どちらかといえば、理系になりますが、医学部ではないということです

医学部卒者ではない学生の方が多い理由として、医学系大学院の構成を見れば、その理由を簡単に把握することができます。

そこで、東京大学大学院の構成を簡単に図化してみました。

(※あくまで、わかりやすくご理解いただけるために、カテゴリーづけしているので、参考までに見てください)

この表を見て頂くとわかるように、医学系大学院の組織を大きくカテゴリー分けすると

  • 基礎医学系
  • 臨床医学系
  • 社会系
  • ヘルス系

4カテゴリーにわけることができます。

そして、ここから言えることは、「臨床医学系」の講座は大学病院の診療科と連動していることが多いので、医師以外の方の進学は難しいです。

そのため、医師免許なしでも可能な(可能性の高い)進学先とは、

医師免許なしでも可能な(可能性の高い)進学先
  • 基礎医学系
  • 社会系
  • ヘルス系

であるということが言えます。

(※ここで注意して頂きたいことは、同じ医学系大学院であっても、専攻によって取得できる学位名が「医学修士」ではなく「保健学修士」となることもありますので、事前にご確認ください)

ただし、進学できるということと、その進学選択が良い選択かどうかは別物です。

そこで、医師免許のない方が医学系大学院へ進学する際の注意点についてお話しします。

医学系大学院進学の際の注意点

1.卒業後の進路を確実にせよ

医学系大学院では、進学に対する強い意志があれば、卒業学部が異なっていても、進学対して意外とウェルカムである研究室が多いです。

その理由は、医学が医療業界のみならず、異業種産業からの新規参入が増え、治療から予防学へ、メディカルからヘルスメディカルへと、医学ひとつをとっても分野が多岐に渡るようになった時代の背景から、医学に関心を持つ層が広がり、大学院へのハードルが高くなくなったのではないか、という私見です。

そのため、医学部卒者以外でも、医学系大学院へ十分進学できる可能性は高いと言えますが、肝心なことは、卒業後どのような進路へ進むか、ということです。

大学教授は、本人の希望進路に沿った支援をしてくださることが多いので、自らが大学院で何を学び、それを将来にどのように活かしていきたいのか、目的を明確にさせることが必須だと言えます。

なんとなく進学しているようでは、人生の迷子になりやすい業界でもあると言えます。

2.教授選びが物を語る

大学院進学では、「大学名」ではなく「教授で選ぶ」大切さを常頃、お伝えしています。

特に、同じ医学系大学院であっても、他学部卒者への進学に快く扉を開いてくださる教授もいれば、表向きには断らなくても実はあまり望んでいない教授もおり、その違いは、実際にお会いして話してみなければわかりえないことです。

そのため、大学院受験では出願前に教授と事前相談を行いますが、ご自分が受け入れてもらえると思える、師として仰げる方だと確信できるまで、懲りずに、進学相談に歩いて見ることです。

3.学部の学びを捨ててはいけない

医学系大学院というのは、その学びが実践で即戦力となる学びではない、です。

例えば、基礎医学で学んだ知識や経験を活かそうと思えば、同じ類に入る研究所関連や大学関係が就職先となり、その知識を他の業種や業界で活かすのは、なかなか難しいのが現状です。

そのため、大学院の箔があっても、その学びを卒業後に活かせていない人というのは、非常に多いと把握しています。

せっかく時間と労力をかけて進学をするならば、その経験を社会人生活に活かせることが望ましく、そのためには、学部での学びから離れてはいけないと思っています。

例えば、相談者さんのように、経済学部ご出身なのであれば、おすすめできる進学先として、

  • 医療経済学
  • 医療政策学
  • 医療統計学
  • 医療経営学
  • 公共政策学

このあたりを主に取り組んでいる研究室が良いと個人的には思います。

理系出身ではないという特徴をあえて活かせる道を、周りとの違いを自分の特徴として、強みとしていける進学先を選ぶ、これに限ると思います。

まとめ

以上、「医学系列ではない学部・修士卒の方が医学系大学院へ進学できるのかどうか」でした。

大学院というのは、意外と、年齢、性別、卒業学部、最終学歴、資格を問わず、広く扉が開かれています。

先入観や社会の基準から選択肢を狭めず、まずは自ら扉を叩き歩いて見ることです。

自分が知らなかった道が見えてくるはずです。

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