こんにちは、だるまんです。
看護系大学院を受験するにあたって、最初の大きな関門となるのが教授との「事前面談(事前相談)」です。
特にNP(診療看護師)コースを目指す方にとって、大学院というアカデミックな場で学ぶにふさわしい「研究への誠実な姿勢」と、新しい医療のパイオニアとしての「NPの覚悟」があるかを、鋭い質問で見極めようとしてきます。
時には、予想もしなかった角度からのツッコミや、少し手厳しい「圧迫質問」のように聞こえる問いを投げかけられ、頭が真っ白になってしまう受験生も少なくありません。
そこで今回は、NPコース(診療看護師)の事前面談で受験生が思わず「答えに困る」代表的な質問を7つ厳選しました。
社会人としてインテリジェントかつ誠実にピンチを切り抜けるための具体的な回答戦略をお伝えしますので、事前相談前にぜひ、目を通してみてください。
質問内容
教授からの質問は、先生によって言葉の選び方やニュアンスが異なるため、一見すると全く違うことを聞かれているように感じるものです。時には、威圧的な「圧迫質問」のように聞こえて身構えてしまうこともあるでしょう。
しかし、表面的な言葉に惑わされる必要はありません。 教授が本当に知りたいと思っている中身(意図)は、どの質問も驚くほどシンプルで共通しています。
もし、そのような状況にあったとしても、それは、受験生が自分の意見をしっかり述べることが出来る方であるのかどうかを試されていることもありますので、心ぶれずに、ご自分の意志を率直に伝えてきてください。
➊「NP(診療看護師)ってどういう業務を行うか把握してますか?」

NPを知ったきっかけは?職場にNPがいるの?NPってどういう業務を行ってるか知ってる?
診療看護師コースを知ったきっかけ、について問われることがあります。単純に、NPを知ったきっかけ、経緯を知りたいという気持ちから問われることもありますが、NPを目指すからにはどこまでリアルなNPのイメージを持って目指しているのかを一歩踏み込んで問われることもあります。
【回答例】
私の現在の職場にはまだNPはいらっしゃいません。きっかけは、自ら文献や学会の情報を調べる中でNPの存在を知りました。私の理解では、NPの業務は単なる医師のタスク・シフティング(業務代行)に留まらず、クリティカルケアや慢性期などの各領域において、熟練した看護の視点をベースに持ちながら、医学的判断を伴う特定行為や、プロトコルに基づく処置・検査のオーダー、さらには多職種チームのマネジメントまでを包括的に行うものと認識しております。
職場にロールモデルがいないからこそ、私が先生の研究室で深く学び、自院におけるNPとして、新しい看護の価値と業務の形を切り拓いていきたいと考えております。
❷「なぜ、CNS(専門看護師)ではなく、NP(診療看護師)なのですか?」

なぜCNSじゃなくてNPなのかな?君のキャリアからしたらCNSのほうがいいんじゃないの?もしくは、研究コースは考えなかった?
これは、NPコースを選択する熱意を試されています。
一定の医学的判断(特定行為など)を行い、医師とタスク・シフティング/シェアリングをしながらチーム医療を牽引する立場になりたい理由を、これまでの臨床経験(悔しかったこと、限界を感じたエピソードなど)に紐づけて語れるようにしておきます。
また、コース終了後にどのような進路を希望しているのかということも踏まえて説明できるとよいです。
【回答例】
臨床の中で、病棟の患者さんの状態が変化した際、医師の指示を待つ時間や、多忙な医師への報告のタイミングに苦慮した経験が多々ありました。看護の専門性を深めてケアの質を上げるCNSの役割も非常に魅力的で素晴らしいと感じています。しかし私は、現場で生じている『タイムリーな医学的介入の遅れ』という課題を、自分自身の力で直接的に解決したいと強く考えるようになりました。看護師としての視点をベースに持ちながら、医学的知識と臨床推論を学び、責任を持って一定の医学的判断や特定行為を行えるNPになることで、より迅速に患者さんの不利益を解消し、チーム医療に貢献したいと考え、NPコースを志望いたしました。
❸「なぜ、うちのNP(診療看護師)コースなのですか?」

なぜうちのNPコースなのかな?他のところは検討しなかったの?
なぜ、この研究室なのかはよく問われる質問です。例えば、「カリキュラムが充実しているから」「家から近いから」といった表面的な理由だけでは、「それ、他の大学院でも良くない?」とツッコまれてしまいます。
ホームページやパンフレットを読み込み、「この大学院のカリキュラムや、先生方の提唱する教育方針に魅力を感じた」という、この学校でなければならない理由を用意しておきましょう。
また、在職進学ができるカリキュラムである点や教育訓練給付金の専門実践が適用される点なども大事な決め手であると思います。
はい、他校のNPコースのカリキュラムや特色についても拝見し、検討いたしました。その上で、私が貴校を強く志望する理由は、大きく2点ございます。
1点目は、貴校の持つ『強固な臨床実習のフィールド(環境)』です。NPの養成において、高度な医学的判断を学ぶ実習環境は極めて重要だと認識しております。貴校は〇〇(※救急や在宅など、その大学院が強い分野や関連病院など)の分野において豊富な実績と、医師との緊密な連携体制を持たれており、実践的な能力を身につける上でこれ以上ない環境だと感じております。
2点目は、私が取り組みたい研究テーマとの合致です。私は臨床で〇〇という問題意識を抱いており、これを研究で取り組んでみたいと考えております。〇〇教授(※志望教員の名前)の論文や研究実績を拝読し、研究の方向性と重なる部分があると感じ、受験を希望しております。
❹「資格取得後、思うように活用できなかったらどうしますか?」

もし、君がNPになった後、医療機関に戻った際に、資格を活用して思うように活躍できなかったらどうする?
これは「意地悪な質問」のように思えますが、実は教授側が「NPとしての覚悟」と「逆境におけるタスク問題解決力」を測るための質問ととらえらえます。
NPはまだ新しい職種であるため、就職した医療機関の理解度や診療科の環境によっては、入学前に思い描いていた通りの仕組みが整っていない、パイオニア的な存在となるケースも現実に存在します。
教員側は、そのリアルな壁にぶつかったときに、「環境のせいにして諦めてしまう人」なのか、「自ら動いて道を切り拓ける人」なのかを見極めようとしてこのような質問を投げてくることがあります。
もしそう聞かれたら、身構えずに、以下のように「置かれた環境の中で自ら動いていく覚悟」を伝えてみてください。
【回答例】
もし、資格取得後に戻った医療機関でNPとしての活動環境が十分に整っていなかった場合、私はそこで諦めるのではなく、『まずは多職種との信頼関係構築と、小さいけれど確実な実績の積み重ね』から始めます。環境が整わない背景には、組織や医師側が『NPにどこまで任せていいのか分からない』という不安や、制度への理解不足があると考えられます。そのため、まずは一人の看護師として日々の臨床で圧倒的な信頼を得ることに注力します。その上で、医師の多忙な業務を具体的にサポートできる部分から、限定的にでも実績を作っていきます。
小さな成功事例を積み重ねて『NPが介入することで、これだけ業務が円滑になり、患者さんへの対応が迅速になる』という価値をロジカルに周囲に示していくことで、時間をかけてでも、自らNPの活躍できるフィールドを院内に切り拓いていきたいと考えております。
❺「在職進学したら、業務と大学院での研究・実習、両立できそう?」
事前面談で教授から「本当に両立できる?」と現実的なラインを突かれると、一瞬言葉に詰まってしまいますよね。
この質問で教授が最も懸念しているのは、精神論としてのやる気ではなく、「途中で潰れてしまわないか(ドロップアウトのリスク)」という現実的な持続可能性です。
特に多忙な臨床を抱える看護職だからこそ、ここには「覚悟」だけでなく、周囲を巻き込んだ「具体的な環境調整の事実」を提示しておくとよいと思います。
【回答例】
現在の勤務先からは、大学院進学について明確な承認とご協力を頂けることで話はできている状況です。具体的には、すでに看護部長および直属の師長と面談を重ねており、進学の際には『夜勤回数の調整』や『授業・実習日に合わせたシフトの固定』など、学業を優先できるよう勤務形態を配慮して頂ける予定でおります。もちろん、臨床と研究・実習の両立が一筋縄ではいかないということは重々覚悟しております。だからこそ、自分一人で乗り切ろうとするのではなく、職場や家族の理解と協力を頂きながら取り組んでまいりたいと思っております。
❻「あなたが考えてきたその研究テーマ、うちでは難しいかも

う~ん、その研究なら、〇〇研究室の方がいいんじゃないかな?うちにはそういうフィールドはないからね…
温めてきた研究テーマを「うちでは難しい」と言われると、頭が真っ白になります。
しかし、この質問は不合格のサインではありません。教授が本当に見極めようとしているのは、「自分のこだわりに固執しすぎない柔軟性」と「指摘を素直に受け入れて学ぶ姿勢(指導の受け入れやすさ)」です。
貴重なご指摘をいただき、ありがとうございます。
私としては、臨床で抱いた〇〇という問題意識を何らかの形で探求し、将来のNP活動に活かしたいという思いでこの研究テーマを検討しておりますが、実現が難しいというお話ですので、もし可能であれば、〇〇先生のご専門の枠組みの中で、この問題意識をどのようにスライドさせれば『研究の形』にしていけるか、 先生のアドバイスをいただきながら柔軟に再検討したいと考えております。
先生が先ほどおっしゃった〇〇という視点(※教授の指摘を引用)を取り入れることで、より貴校にふさわしい研究へとブラッシュアップしていけるでしょうか。
❼受験に不合格だったらどうしますか?

もし、受験で不合格だったらどうする?
一瞬、「えっ、もう落とされることが決まっているの…?」と血の気が引いてしまう受験生も多いのですが、決してそんなことはありません。教授がこの質問で見極めようとしているのは、「NP(診療看護師)になりたいという覚悟の本気度の確認です。
「別の大学院を探します」と答えると「うちじゃなくてもいいんだな」と思われますし、「絶対に合格するので大丈夫です!」という根拠のない自信も幼い感じがします。
【回答例】
万が一、今回の受験でご縁がなかった場合ですが、私はNP(診療看護師)としてこれからの医療に貢献するという目標を諦めるつもりは一切ございません。まずは、今回の結果を厳粛に受け止め、改めて再受験を検討したいと考えております。
または、「その時になってみて、また考えます」と切り返しても良いと思います。
まとめ
NP(診療看護師)コースの事前相談で問われる、思わず答えに困る7つの質問とその回答例をお伝えしてきました。
時に手厳しく、まるで圧迫質問のように聞こえる教授の質問の数々ですが、その本質はあなたを不合格にすることではありません。
教授が見極めようとしているのは、現時点での完璧な論文の知識ではなく、「指摘を受けたときの対応の仕方」、そして「進学への意欲」です。
「未来の指導教授に、私の熱意と誠実さを相談しに行く」という大人の余裕と謙虚さを持って、あなただけのインテリジェントな一歩を踏み出してきてくださいね。
だるまんは、新しい医療のパイオニアを目指すあなたの挑戦を、いつでも応援しています!



