こんにちは、だるまんです。
近年、看護学大学院には、既存の研究論文コースを他所に、保健師、助産師、NP、CNS、看護管理者など、さまざまな資格取得コースがありますが、それ以外にも大学独自で開講している課程や政府の事業によるプログラムなど、あらゆる道へ進めるコースができています。
今回は、その、政府の事業によるプログラム、「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」について、調べてみた内容をまとめて、シェアします。
災害看護を学んでみたい方、災害看護学を始め、地球上の環境、貧困・開発問題などに関心のある方は、これを足掛かりに大学院進学を検討されてみてはいかがでしょうか。
共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム
5年一貫制による専門教育
大学院といえば、修士2年、博士3年が一般的ですが、知る人ぞ知る「5年一貫制」という課程があります。
この「5年一貫制」という言葉に特別感を感じる通り、5年一貫制で行われている特別なプログラムこと、その名を「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」といいます。
「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」が特別なプログラムといえる理由は、こちらです。
- 文部科学省のお墨付き事業
- 5大学で構成された質の高い教育
- 産・学・官の参画を含め、国内外の優秀な教員が集結
- グローバルリーダー養成の特別授業
これらの理由について、簡単な解説を補完したいと思います。
特別なプログラムといえる理由
1.文部科学省のお墨付き事業
まず、文部科学省「博士課程教育リーディングプログラム」という事業に採択されたプログラムで、日の丸親方のお墨付き事業であるため、一言で、かなり力が入っている事業だといえます。
厚労省の調査資料によると、現在、33大学で62プログラムが運営されており、「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」は2014年4月から、この仲間入りをしました。
この文部科学省のプログラムの目的は、産学官におけるグローバルに活躍するリーダ養成ですので、教育の質を高めるために召集された、国内外の優秀な教員と教育システムが整っています。
2.5大学構成による質の高い教育
大学院といえば、所属大学院のみで授業が開講され、時折、外部講師や客員講師などから講義を受けることが一般的ですが、さすが、これも、大きな違いがあります。
「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」では、高知県立大学を筆頭に、東京医科歯科大学、兵庫県立大学、千葉大学、日本赤十字看護大学で構成されており、遠隔授業を通して、5大学の担当教員が授業を行う教育システムとなっています。
5大学が連携することで、お互いの教育の強みを補完しあうことができ、質の高い教育を実現できることこそ、このプログラム「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」の魅力のひとつです。
3.専門性の高いプログラム
他の専門分野と協働・連携し、災害看護の方略や研究、災害時の倫理的な課題・問題に対する解決をするための能力を養うため、5年間の就業年限で組まれたプログラムは、かなり緻密で、専門性が高いです。
そのため、災害時だけでなく、普段から、人間の安全保障の視点でケアデザインができ、災害看護学の研究視点も持ち合わせ、リーダーとして俯瞰的に物事を見る力、さらには、災害看護分野にイノベーションを切り拓く人材育成を目指しています。
4.グローバルリーダー養成の特別授業
グローバルリーダー養成に力を入れており、徹底した国際的な教育システムをカリキュラムに取り入れています。
具体的には、下記のとおりです。
- 国際機関、海外医療機関でのインターシップ
- 外国人講師による英語力の強化
- キャリアプランに合わせた海外派遣・留学に海外提携39校が協力
- 海外提携校、WHO看護協力センター、国際赤十字病院紀行、国連合同エイズ計画などから定期的に講師を招聘・講義
- 多職種・多国籍グループによる演習
グローバルリーダーの育成のため、英語教育はもちろんのこと、海外で活躍できる素質素養を身につけられる経験がたくさん用意されています。
卒業後の進路
下記の図は、このプログラムで推奨されている進路図で、産官学のリーダーになることを目指しています。
実際に、2021年3月末時点で、「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」に5大学で52名が入学し、20名が修了、現在、教育や実践の現場で活躍されているようです。
その具体的な進路先は公開されていませんでしたが、プログラム修了後の活動状況調査によると「大学42.0%」「公的研究機関16.0%」「民間企業28.0%」「官公庁4.0%」「その他10.0%」となっており、目標通り、産官学のリーダーの道へ進んでいることが伺えます。
まとめ
以上、「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」についての解説でした。
「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」のカリキュラム内容のボリュームの多さから、そのほんの1部を抜粋して、簡略的にお話ししましたが、このプログラムの教育の質は、かなり高級であり、学費と時間はそれなりにかかったとしても、かける価値が十分にある、人生が大きく変わるのではないかと思います。
人には、3度のチャンスがあると言われます。
そのチャンスが訪れても、気づかず、通り過ぎてしまうこともあれば、チャンスが来ても努力していなければ、人生を変えられるほどの転機にはなれないものです。
人生100年時代と思えば、たった5年です。
この大学院進学で、共同災害看護グローバルリーダー(DNGL)になり、自らチャンスにしてみては如何でしょうか、人生は自分次第で変えられるのですから。
※「共同災害看護グローバルリーダー養成プログラム(DNGL)」の募集は2021年度中止となっています。また再開講されるようであれば、最新データをアップします。